難治性ニキビに光を:内服薬「イソトレチノイン」
「何度もニキビができてしまう…」「皮膚科での治療ではなかなか改善しない…」そんな諦めにも似たお悩みをお持ちではありませんか?
もし、これまでのニキビ治療で十分な効果が得られなかったとしたら、イソトレチノインという内服薬が解決の糸口になるかもしれません。このページでは、イソトレチノインの特長や服用方法、そして使用にあたっての重要な注意事項を詳しく解説します。よくあるご質問にもお答えしていますので、ぜひご一読ください。
当院では、イソトレチノインのジェネリック医薬品である「アクネトレント」のオンライン診療での処方を開始しました。ご来院いただくことなく、医師の診察のもと、ご自宅から治療を始められます。
イソトレチノインとは何か
イソトレチノイン(商品名:ロアキュタン、アクネトレントなど)は、反復するニキビや重度のニキビに用いられる内服薬です。
この薬剤は、ビタミンA誘導体の一種である「レチノイド」を主成分としています。皮脂の過剰な分泌を抑える働き、抗炎症作用、毛穴の詰まりを改善する効果、そして皮膚のターンオーバーを正常化する作用など、多角的にニキビの悩みにアプローチします。
当院では、イソトレチノイン内服薬の**先発品である「ロアキュタン」と、そのジェネリック医薬品である「アクネトレント」**を取り扱っています。(※イソトレチノインは海外ではニキビ治療薬として保険適用されることがありますが、日本では公的医療保険の適用外となり、**自由診療(自費)**となります。)
イソトレチノインによる治療が推奨される方
以下のようなニキビの症状でお悩みの方に、イソトレチノイン治療をご検討いただけます。
- 繰り返しニキビができて困っている方
- 重度のニキビに悩まされている方
- これまでの抗生物質の内服治療で効果が不十分だった方
- 他のニキビ治療を試しても改善が見られなかった方

イソトレチノインの作用メカニズム
イソトレチノインは、「毛穴の詰まりを改善する」「皮脂の分泌を抑える」「ニキビの赤みを和らげる」という主な作用によって、繰り返すニキビやニキビ跡の赤みに有効性が期待できます。それぞれの働きについて詳しく見ていきましょう。
毛穴の詰まりへのアプローチ
皮膚の表面にある角質層が厚くなり硬くなる「角化異常」が起こると、毛穴が閉じてしまい、皮脂がスムーズに排出されにくくなります。イソトレチノインは、この角化異常を正常に整えることで、毛穴の詰まりを解消する効果が期待されます。
皮脂の過剰分泌を抑制
イソトレチノインには、皮脂を作り出す「皮脂腺」のサイズを縮小させる作用があることが知られています。これにより、皮脂の分泌量を減らし、ニキビの原因となるアクネ菌の増殖を抑え、ニキビができにくい肌環境へと導きます。
ニキビの炎症や赤みを軽減
ニキビの原因菌であるアクネ菌が増殖すると、体は異物を排除しようと免疫反応を起こし、結果として肌に炎症による赤みが生じます。イソトレチノインは、この免疫反応を調整する働きがあるため、ニキビの赤みを和らげる効果が期待されます。
当院でのイソトレチノイン治療のメリット
医師によるきめ細やかな診察
当院では、医師が患者様一人ひとりの肌の状態や症状を丁寧に診察し、最適なイソトレチノインの処方量を決定します。これにより、効果的かつ安全な治療を目指します。
定期的な血液検査の実施
イソトレチノインの服用開始前、そして服用中も3ヶ月に一度の頻度で定期的な血液検査を行います。これにより、治療中の患者様の健康状態を正確に把握し、副作用の兆候を早期に発見できるよう努めています。
個人輸入の危険性について
イソトレチノイン(ロアキュタン、アクネトレント)は、たとえ少量であっても、医師の処方箋や指示書に基づかない限り、個人で輸入することはできません。
個人輸入には以下のようなリスクが伴います。
- 品質の不確実性: 個人輸入された医薬品は、その品質や安全性が保証されません。
- 正規品との相違: 正規の製造プロセスを経ていない偽造品である可能性があり、期待される効果が得られない、あるいは予期せぬ悪影響が生じる場合があります。
- 副作用のリスク: 不正確な成分や不適切な製造により、予測不能な副作用が発生する恐れがあります。
- 適切な治療の欠如: 医師の指導なしに自己判断で使用することで、ご自身の症状に合わない治療となり、かえって症状を悪化させる可能性もあります。
厚生労働省からも、イソトレチノインの個人輸入に関して以下の注意喚起がなされています。
- イソトレチノインは、医師や薬剤師など専門家の厳密な指導のもとでのみ使用されるべき薬剤です。
- 服用中に妊娠した場合、または妊娠している可能性のある場合、短期間の使用や少量であっても、胎児に先天異常、流産、早産、死産を引き起こす危険性が極めて高いです。
- ひどい頭痛、目の霞み、めまい、吐き気、嘔吐、脳卒中、下痢、筋力低下のほか、重篤な精神症状(うつ病、自殺願望など)の副作用が現れることがあります。
- 専門家の診察を受けずに、決して自己判断で購入・服用しないでください。
- 妊娠中、妊娠を計画している、または妊娠の可能性のある方は、いかなる場合も服用してはいけません。
- 処方箋なしで販売するウェブサイトが存在しますが、これらは違法であり、健康被害のリスクを伴います。
出典:厚生労働省「アキュテイン(ACCUTANE)(わが国で未承認の難治性ニキビ治療薬)に関する注意喚起について」
詳細については、厚生労働省のウェブサイトをご確認ください。
イソトレチノインの服用方法
イソトレチノインの服用にあたっては、様々な注意点があります。ここでは、服用するタイミングと、特に重要な注意点についてご紹介します。
イソトレチノインを飲むタイミング
通常、1日1〜2回、食事と一緒に服用してください。一般的には20mgから服用を開始し、患者様の症状や体質に応じて投与量を調整していきます。服用量や回数は、症状や体重などによって医師が判断しますので、必ず医師の指示に従い、定められた用法・用量を守って服用してください。
イソトレチノインを飲むときの注意点
女性の場合
妊娠の可能性がある場合、この薬の内服はできません。生理が正常に始まった後、2~3日経過してから服用を開始するようにしてください。 服用中から服用終了後6ヶ月間は、決して妊娠しないように厳重に避妊を行ってください。また、この期間中は献血も控えてください。
男性の場合
服用中から服用終了後1ヶ月間は、パートナーを妊娠させないように注意してください。また、この期間中は献血も控えてください。
上記以外にもイソトレチノインの服用には様々な注意点があります。詳細は診察時に医師からご説明します。

副作用・留意事項について
服用できない方(禁忌)
以下に該当する方は、イソトレチノインを服用することができません。
- 妊娠中の方、妊娠を計画している方、または妊娠の可能性のある方
- 授乳中の方
- 女性は15歳未満、男性は18歳未満の方(成長期で身長が伸びている方を含む)
- テトラサイクリン系の抗生物質を服用中の方
- うつ病の既往がある方
- 肝機能障害のある方
- 中性脂肪やコレステロール値が高い方
- ビタミンA過剰症の方
- 過去にイソトレチノインで重度のアレルギー反応を起こした方
特に重要な注意事項
イソトレチノイン服用中に妊娠した場合、または妊娠中に服用した場合は、短期間や少量であっても、胎児に先天異常や流産、早産、死産を引き起こす危険性が極めて高まります。そのため、イソトレチノインの投与期間中、そして投与終了後も以下の期間(女性は6ヶ月間、男性は1ヶ月間)は、絶対に妊娠を避けてください。
また、服用中および最終服用日から6ヶ月間は献血を控えてください。これは、献血された血液から作られる血液製剤が妊婦に使用される可能性があり、その結果、胎児がイソトレチノインの影響を受けてしまうことを防ぐためです。
その他の注意事項
- 服用を開始してからの数週間は、一時的にニキビの症状が悪化することがあります。ほとんどの場合、服用を継続することで症状は落ち着きます。
- 定期的な血液検査が必須です。服用前と服用後、そして長期服用中も血液検査を行い、その結果を比較します。医師が体調の悪化を判断した場合は、処方を中止することがあります。
- 治療中は肌が紫外線の影響を受けやすくなります。長時間の日差しを避け、日焼け止めクリームを使用するなど、紫外線対策を徹底してください。
- 治療中は皮膚が敏感になるため、フェイシャルピーリングなどの処置を検討する際は、事前に医師にご相談ください。
- 治療中は皮膚や粘膜の乾燥が起こりやすくなります。乾燥が気になる場合は、保湿クリームを塗ったり、点眼薬を使用したりするなどして対応しましょう。
- 治療中は、ビタミンAを含む薬剤やサプリメントの摂取は避けてください。
- テトラサイクリン系の抗生物質(ミノサイクリン、ビブラマイシンなど)との併用はできません。
- 飲み忘れてしまった場合は、次の服用時間になったら通常の量を服用してください。飲み忘れた分をまとめて2回分以上服用することは避けてください。
- 他の人から処方された薬を飲んだり、ご自身の薬を他人に譲ったりすることは絶対にしないでください。
起こりうる副作用
以下は、イソトレチノインの代表的な副作用です。服用中にこれらの症状が現れた場合は、速やかに医師にご相談ください。
- 妊婦への影響: 胎児の先天異常、奇形、流産、早産、死産
- 皮膚症状: 治療初期にニキビの一時的な増悪(かゆみ、赤みなど)、唇や口の粘膜の乾燥、鼻の粘膜への影響(鼻血など)、目や皮膚の乾燥、脱毛
- 精神神経系: うつ病、精神病(幻覚、幻聴)、自傷行為などの重篤な精神疾患
- 器官障害: 肝臓疾患、腸疾患、筋骨格系の症状、聴覚障害(聞こえにくさ、耳鳴りなど)、視覚障害(角膜の混濁、夜間視力低下など)
- その他: めまい、頭痛、吐き気、嘔吐、倦怠感、疲労感など
イソトレチノインに関する情報
未承認医薬品であること
イソトレチノインは、日本の医薬品医療機器等法において、まだ承認されていない医療用医薬品です。
入手方法について
当院では、医師の判断に基づき、正規の供給元であるPRSS社から購入しています。
個人輸入された医薬品の使用に関するリスクについては、厚生労働省のウェブサイト「リスクが潜む個人輸入」をご確認ください。 https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/index.html
イソトレチノインの個人輸入に関する厚生労働省の注意喚起はこちらのページをご覧ください。 https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/kojinyunyu/050609-1b.html
国内承認薬の有無
現在、国内において、イソトレチノインと同程度の効能・効果で承認されている医薬品は存在しません。
諸外国における安全性等に係る情報
イソトレチノインは、米国のFDA(食品医薬品局)をはじめ、諸外国で医薬品として承認されています。 しかし、うつ病や精神病、胎児の催奇形性などの重篤な副作用も報告されています。