「糖質カット薬」として注目されるフォシーガ。そのダイエット効果や手軽な使い方に惹かれる一方で、副作用やデリケートゾーンの感染症に不安を感じる方も少なくありません。
そこで、この記事ではフォシーガの副作用の仕組みから安全な服用方法まで、具体的に解説します。
フォシーガの効果的な飲み方と副作用対策を医師監修のもとに解説!
【医師監修】フォシーガダイエット完全ガイド|効果的な飲み方と副作用対策
フォシーガの副作用
フォシーガは、主に2型糖尿病の治療に用いられる薬で、尿とともに過剰な糖を排出し血糖値を下げる効果があります。
しかし、臨床試験や患者報告に基づき、副作用が一定割合で確認されていることも事実です。
国内臨床試験(1012例中)では172例(17%)が報告されています。(ダパグリフロジンOD錠5mg「サワイ」)
主な副作用は、頻尿36例(3.6%)、口渇18例(1.8%)、性器感染17例(1.7%)、尿路感染17例(1.7%)等であった。(初回承認時)
引用:ダパグリフロジンOD錠5mg「サワイ」
①尿路・性器感染症(カンジダ症など)
フォシーガは尿と糖の排出を促進する作用があるため、尿路感染症や性器感染症のリスクが高まることが報告されています。
尿路感染及び性器感染を起こし、腎盂腎炎、外陰部及び会陰部の壊死性筋膜炎(フルニエ壊疽)、敗血症等の重篤な感染症に至ることがある。尿路感染及び性器感染の症状及びその対処方法について患者に説明すること。
引用:フォシーガ・医療用医薬品
具体的には、頻尿や排尿時の痛み、陰部のかゆみといった症状が報告されています。
また、腎盂腎炎やフルニエ壊疽のような重篤な感染症がまれに起こることもあり、現れた場合は速やかに医師に相談する必要があります。
- 原因:尿中の糖分が細菌のエサになるため。
- 症状:外陰部のかゆみ、おりものの増加(カッテージチーズ状)、排尿時痛など。
- 対策:
- 清潔を保つ:排尿・排便後は優しく拭き取り、可能であればウォシュレットやシャワーで洗い流す。
- 通気性を良くする:通気性の良い綿素材の下着を選び、タイトなジーンズやストッキングの長時間の着用を避ける。
- おりものシートをこまめに交換する。
②脱水症状・頻尿
糖を尿から排出する際、一緒に水分も排出される(浸透圧利尿)ため、体内の水分が不足しがちになります。
利尿作用が増強されるおそれがある。
脱水による血圧低下や電解質バランスの乱れも起こり得るため、十分な水分補給を行って服用しましょう。
- 原因:糖と共に水分が尿として多く排出されるため。
- 症状:喉の渇き、尿量の増加、めまい、立ちくらみなど。
- 対策:
- こまめな水分補給:1日1.5〜2リットルを目安に、喉が渇く前にこまめに水分(水やお茶)を摂る。
- 激しい運動や飲酒時は、特に意識して多めに水分を補給する。
③低血糖
「血糖値を下げる薬」と聞くと低血糖を心配される方がいますが、フォシーガ単独の服用で重い低血糖が起こることは極めて稀です。
糖尿病患者において、インスリンなどの血糖値を下げる他の薬と併用している場合、吐き気、嘔吐、腹痛、激しい喉の渇き、倦怠感や呼吸の異常が起こることが報告されています。
- 原因:インスリンなど他の糖尿病治療薬との併用や、極端な糖質制限ダイエットとの併用。
- 症状:冷や汗、動悸、手足の震え、強い空腹感など。
- 対策:
- 自己判断で他の薬と併用しない。
- 過度な糖質制限は行わない。
- 万が一の症状に備え、ブドウ糖や飴、糖分を含むジュースを携帯する。
フォシーガでダイエット中に副作用がでたらどうする?
フォシーガは2型糖尿病の治療薬として開発されたSGLT2阻害薬であり、糖の尿中排泄を促進して血糖値を下げる一方で、体重減少効果も認められています。
しかし、その作用に伴い副作用も報告されており、安全に使用するためには副作用の兆候を把握し、適切な対応が必要です。
副作用の放置は重篤化のリスクを高めるため、自己判断せず医師の診察を速やかに受けましょう。
速やかに病院を受診する
フォシーガの使用中に異常が見られた場合は、症状に関わらず速やかに病院を受診しましょう。
とくに、以下のような症状がある場合は早急な受診が必要です。
- 排尿時の痛み
- 性器のかゆみや発疹
- 下痢や嘔吐
- 冷や汗、動悸
- 手足の震え
- 強い空腹感
- 意識がもうろうとする
- 呼吸が速くなる
例えば、強い喉の渇き、めまいや倦怠感、発熱、排尿時の痛みや異常な尿の色・臭いなどの症状があれば、速やかに医療機関を受診することが重要です。
これらの症状は脱水や尿路感染症、あるいは低血糖などの副作用のサインで、放置すると腎盂腎炎や敗血症などの重篤な状態に進行する可能性があります。
口の渇き・頻尿:意識的に水分を補給する
フォシーガは排泄を促進する作用から尿量が増加し、脱水症状を引き起こしやすい特徴があります。
実際に最も多い副作用として頻尿・口の渇きが報告されており、脱水の初期症状として重要視されています。(フォシーガ錠5mg・処方箋医薬品)
厚生労働省の薬剤情報や医療機関の指導によると、フォシーガ服用中は喉の渇きを感じる前からこまめな水分補給が推奨されています。
口渇、多尿、頻尿、血圧低下等の症状があらわれ脱水が疑われる場合には、休薬や補液等の適切な処置を行うこと。
水分補給は脱水防止に有効であり、とくに、高温時や下痢時は脱水リスクが高くなるため意識的に摂取することが重要です。
低血糖の症状:ブドウ糖を摂取する
フォシーガ使用時には、めったに起こらないものの、一定の条件で低血糖の症状が出ることがあります。
とくに、他の糖尿病治療薬と併用中の場合に低血糖リスクが高まることがあるので注意が必要です。(ブリストル・マイヤーズ株式会社・フォシーガ錠5mgフォシーガ錠10mgに関する資料)
低血糖は血中ブドウ糖濃度が著しく下がった状態であり、ふらつき、冷や汗、動悸、手足の震えなどの症状が現れます。
日本糖尿病学会のガイドラインでは、低血糖の症状が出たら、速やかにブドウ糖タブレットやジュースなどを摂取しましょう。
自己判断で放置すると意識障害に進行するおそれがあるため、症状が出たら迅速な対応と医師への相談が重要です。
フォシーガの副作用を減らすポイント
フォシーガは糖尿病治療薬として尿からの糖排出を促進し体重減少をサポートしますが、副作用を抑えるためには適切な管理が重要です。
次に示す4つのポイントを守ることで、安全かつ効果的に服用できます。
医師の指示に従って服用する
フォシーガの服用は医師の指示に厳密に従うことが最も重要です。
投与量や服用スケジュールを守ることで、副作用発生率を抑制できます。
個人の体質や既往症を踏まえた適正な投与調整は、低血糖や脱水、尿路感染症などの発現予防に有効です。
必ず定期的な診察と検査を受け、医師の指導のもとに服用してください。
こまめに水分補給する
フォシーガは利尿作用をもたらすため、体内の水分が減少しやすくなります。
これが脱水症状や熱中症のリスクを高めるため、こまめな水分補給が必要です。
臨床報告では、十分な水分摂取により血液濃縮や腎機能障害の発生が抑えられることが確認されています。
SGLT2阻害薬投与により初期には通常体液量が減少するので、適度な水分補給を行うよう指導すること、脱水が脳梗塞など血栓・塞栓症の発現に至りうることに改めて注意を喚起する。
過度に糖質制限しない
フォシーガは尿中に糖を排出し、約240~360kcal相当の糖質を消費するため、過度な糖質制限は低血糖や栄養不足のリスクを高めます。
SGLT2阻害薬が60-90g/日のブドウ糖を尿に排泄することは、単純に計算すると、一日のエネルギー摂取量がおおよそ240-360kcal減少したことに相当する。
データによれば、糖質を極端に制限すると血糖の急激な低下に伴い、めまいや動悸、低血糖症状が出やすくなります。
バランスの取れた栄養摂取を維持しつつ、過剰糖質摂取を抑える程度であり、医師や栄養士の指導のもと段階的に調整することをおすすめします。
トイレを我慢せず清潔にする
フォシーガ服用により尿糖量が増加し、尿路感染症のリスクが高まるため、トイレを我慢せずこまめに排尿することが重要です。
性別を問わず、排尿を我慢すると細菌が膀胱内で増殖しやすくなり、感染症発症リスクが上昇することが疫学研究で示されています。
「尿路感染症は主に女性の病気だから、男性は大丈夫だろう」そう思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、実はフォシーガを服用している男性にとっても、決して他人事ではありません。
引用:医療法人薬院ひ尿器科
また、排尿後の会陰部の清潔保持も尿路感染症予防の基本です。
これらは副作用の早期発見・予防対策として推奨されており、感染症症状が疑われたら直ちに医療機関を受診してください。
フォシーガでダイエットをする方が理解しておくべき注意点
フォシーガでダイエットをするなら、理解しておくべき注意点は以下の3点です。
フォシーガのダイエット効果は人によって異なる
フォシーガ(成分名:ダパグリフロジン)は、SGLT2阻害薬として血中の余分な糖を尿に排出し約240〜340kcalのカロリーを減少させることで、体重減少効果をもたらします。
臨床試験データでは24週間の使用で平均2〜3kg、体重の2〜5%減少が報告されており、日本人の試験でも同様の結果があります。(SGLT2阻害薬時代の食事療法のために)
ただし、効果には個人差があり、基礎代謝や食生活、運動習慣など複数要因で結果が異なるため、過度な期待は避けるべきです。
フォシーガ服用時には副作用リスクも考慮する
フォシーガの使用に伴う副作用として、脱水症状、尿路感染症、低血糖のリスクが知られています。
とくに、体内の糖排泄により尿量が増加しやすいため、こまめな水分補給が推奨されるほか、電解質バランスの変化に注意が必要です。
副作用を防ぐために、自己判断での中断や過剰摂取は避け、必ず医療機関の指導を受けることが推奨されます。
自由診療なので費用が高くなりやすい
フォシーガをダイエット目的で服用する場合、保険適用外の自由診療となることが多く、費用負担は全額自己負担となります。
相場は1か月あたり約3万円〜10万円程度で、投与量や医療機関によって差があります。
また継続期間が長期になるケースが多いためトータル費用が高額になる傾向があります。
フォシーガの副作用に関するQ&A
フォシーガの副作用に関する、よくある質問をまとめました。
Q. 陰部がかゆくなったら、フォシーガの服用を中止すべきですか?
症状の程度によりますが、かゆみや赤みが強い場合は一時的な服用中止を検討し、必ず医師に相談してください。
軽度であれば、塗り薬などで対応できる場合もあります。
Q. 市販薬で治しても問題ありませんか?
市販薬での自己治療はおすすめできません。
原因がカンジダ菌なのか、他の菌なのかによって治療法が異なるため、医師の診断を受けたうえで適切な薬を使うことが重要です。
Q. 予防のためにできることはありますか?
はい、以下のような予防策が有効です。
- 通気性の良い下着を選ぶ(綿素材など)
- 排尿後は陰部を清潔に保つ
- 汗をかいたらこまめに着替える
- 水分をしっかり摂って尿の濃度を下げる
Q.フォシーガは糖尿病でなくても使えますか?
医師の判断のもと、肥満改善やダイエット目的での使用が認められるケースもあります。
ただし、副作用リスクは同様にあるため、医師の管理下での使用が必須です。
Q. オンライン診療でも副作用の相談はできますか?
はい、オンライン診療でも副作用の相談・処方・服用調整が可能です。
症状が出た場合は、早めに連絡することで安心して対応できます。
フォシーガには副作用がある!
フォシーガは利尿作用を通じて尿糖排泄を促進し、体重減少効果も報告されています。
しかし、その利尿作用に伴い、頻尿や脱水、尿路感染症、さらには性器感染症などの副作用リスクが約17%の患者で見られるため、医師の診察のもと利用するようしにましょう。