食事制限なしでも痩せられるという期待から、多くの人がメディカルダイエットの一歩を踏み出しています。
一方で「フォシーガを飲み始めたのに、逆に太った気がする」と感じる人は少なくありません。
フォシーガは腎臓に働きかけて、体内に吸収されるはずの糖分を尿と一緒に体外へ排出することで、余分なカロリーを自然にカットしてくれるSGLT2阻害薬です。
一方で、食欲抑制効果もあり思ったより痩せない人もいるのが事実です。
そこで、今回はフォシーガで痩せない、あるいは逆効果原因や、痩せないときの注意点や効果を他kめるポイントについて解説します。
フォシーガを使っているのに痩せない原因
フォシーガを使っているのに痩せない原因は、効果に対して摂取カロリーが多いことや服用期間が短いことが主な理由です。
フォシーガの効果は2ヶ月ほど経ってから感じる人も多いため、飲み始めてすぐは効果を実感できないことも多いです。(フォシーガ臨床に関する概括評価)
ここでは、フォシーガで痩せない人に共通する5つの原因と、それぞれの見直しポイントを解説します。
原因①効果よりも摂取カロリーが多い
フォシーガの効果よりも摂取カロリーが多い場合、効果が出ていても痩せません。
フォシーガが排出できる糖のカロリーは、1日あたり約200〜400kcalです。
ブリストル・マイヤーズ株式会社の調査によると、2型糖尿病患者にフォシーガ10mgを12週間投与したところ、1日あたり280kcalに相当する糖が尿中に排泄されたことが報告されています。
つまり、食事量や間食が増え、排出量以上に摂取してしまうと、当然ながら痩せません。
原因②服用期間が短い
フォシーガは急激に体重を落とす薬ではないため、服用期間が短いと効果が出づらいです。
脂肪1kgを減らすには約7200kcalの消費が必要で、1kg減らすのに20〜30日かかります。
脂肪1kgを消費するのに必要なエネルギー(カロリー)は、9kcal×1000g×80%=約7200kcal 程になります。
引用:株式会社タニタ
- フォシーガで1日400kcal減った場合:18日
- フォシーガで1日300kcal減った場合:24日
- フォシーガで1日200kcal減った場合:36日
計算式:7,200kcal ÷ 300kcal(フォシーガの効果)=24日
フォシーガの1日当たりのカロリー減少量はおよそ200~400kcalと個人差がありますが、最低でも1〜3ヶ月は継続して様子を見ることが大切です。
原因③食事内容が悪く、筋肉量が落ちている
摂取カロリーや3ヶ月以上継続しても痩せない場合、食事内容が悪く筋肉量が落ちていることが考えられます。
糖質を過度に制限してタンパク質が不足すると、体はエネルギー源として筋肉を分解し始めます。
ダイエットのために筋肉をつけようとして、たんぱく質を多く摂ることを重要視すると、同時に運動するときのエネルギー源となる炭水化物や脂質の補給が足りなくなります。結果的にたんぱく質の分解につながり、目的に反することになってしまいます。
ダイエットのために糖質制限をすると筋肉量が減って基礎代謝が低下し、痩せにくく太りやすい体質になってしまうのです。
そのため、フォシーガを投与している間は極端に糖質を制限せず、医師アドバイスのもと適度に摂取することを心がけてみてください。
原因④薬の効果が出づらい人もいる
フォシーガを医師のアドバイス通り進めているのに痩せない人は、そもそも薬の効果が出づらい体質という人もいます。
- 血糖値が高くない人
- 運動量が少なく代謝が低い人
- ほかに服用している薬がある人
フォシーガは血液中のブドウ糖濃度が高いほど効果が高いですが、血糖値が正常~低い場合は尿中に排出する糖量が少ないので効果を感じづらい特徴があります。
また、普段から在宅ワークなどで運動習慣がなく代謝が低い人は、カロリー消費量が少ないので運動する人と比べて効果がすくなく感じやすいです。
フォシーガで痩せ始めるのはいつから?
フォシーガ(一般名:ダパグリフロジン)で痩せ始めるのは、早くても1ヶ月以降と感じる人が多いです。
余分な糖が尿中に排出されることにより、脂肪エネルギーの利用が促進されて体重がゆるやかに減少するからです。
腎からのグルコース排泄が促進されることにより摂取カロリーの減少による体重減少効果も期待でき、特に過体重を伴う 2 型糖尿病患者ではより理想的な糖尿病治療薬となり得ると期待される
ここでは、具体的にフォシーガの痩せ始める期間について、段階的に解説します。
ゆるやかな変化に気づくのは数週間~1ヶ月
フォシーガ服用から-0.5㎏ほどのゆるやかな変化に気づくのは、平均すると数週間~1ヶ月程度です。
フォシーガは1日あたり200~400kcalほど減少効果が期待できるため、0.5kg程度であれば一ヶ月以内に変化を感じる人も多いでしょう。
しかし、この時期はあくまで初期変化であり、食事や運動量などの生活習慣が作用の持続に影響します。
顕著な効果が出始めるのは早くても2ヶ月目以降
フォシーガで1~2㎏といった顕著な効果が出始めるのは、早くても2ヶ月ほどかかると考えておくと良いでしょう。
アストラゼネカ株式会社の調査によると、投与開始から3ヶ月後(12週目)では約1kg~2kgの体重減少が見られたというデータもあります。
飲み始めてからすぐに効果が出ない場合でも、継続して正しく服用していくことが重要と言えるでしょう。
フォシーガダイエットで痩せない時の注意点
フォシーガダイエットで痩せないとき、独断で用量を増やしたり辞めないようにしましょう。
患者向け医薬品ガイドでも、以下のように勝手に辞めることでデメリットが起きることも記載されています。
体調がよくなったと自己判断して使用を中止したり、量を加減したりすると病気が悪化することがあります。
もし不安に思うことがあれば、医師に相談して用量を増やしたりダイエット計画を見直してみることをおすすめします。
独断で用量を増やしたり辞めるのはNG
フォシーガの推奨用量は、1日10mgで十分な効果が確認されています。
自己判断で用量を増やすと、脱水や低血糖、ケトアシドーシスなどの重篤な副作用が発生するリスクが上昇します。(患者向け医薬品ガイド)
患者向医薬品ガイド・フォシーガ錠5mg、フォシーガ錠10mgさらに、医師の指示なく中止した場合も、血糖コントロールが急激に悪化し、倦怠感や高血糖症状が出現するおそれがあります。
極度の糖質制限をしない
フォシーガは糖の排出を促すため、極端な糖質制限と併用するとエネルギー不足やケトン体上昇が過度に進行する可能性があります。
予期せぬ低血糖により糖質摂取量に影響が出る恐れがあるため,注意が必要である
フォシーガ自体が尿糖排出効果があることで、糖質制限と同じような効果が期待できます。
そのため、食事でも極端に糖質制限することはやめましょう。
不安に感じたら医師に相談する
フォシーガ服用中に体重変化が見られない、または口渇・倦怠感・尿の異常がある場合は、早めに医師に相談することがおすすめです。
適切な水分摂取や服薬管理で予防可能なため、自己判断ではなく専門家の評価を受けることが安全につながります。
安心して治療を続けるためには、定期検査を通じて腎機能や血糖変動を確認し、医師と二人三脚で治療方針を調整していくことが大切です。
フォシーガのダイエット効果を高めるポイント
フォシーガのダイエット効果を高めるポイントは、医師の指導のもと正しく服用することです。
また、安いからと言って個人輸入の商品を購入・利用することは大きなリスクを伴うのでやめましょう。
日本国内で医薬品医療機器等法を遵守して販売等されている医薬品等に比べて、次のような保健衛生上の危険性(リスク)があります。
医師の指導のもとで使用する
フォシーガ(ダパグリフロジン)は体重減少効果がありますが、元来2型糖尿病の治療薬として使用されているものです。
そのため、個人差や合併症リスクを十分に考慮したうえで医師の指導のもとで使用することが重要です。
とくに、腎機能障害や低血糖リスクがある場合、専門的な評価・フォローアップが求められています。
結果的に医師の管理のもとで服用することが、副作用発現のリスク低減や適切な効果につながります。
正しく服用する
フォシーガの適正な用量や服用タイミングは、患者の年齢、体重、合併症、および他剤併用の有無によって異なります。
臨床研究では、1日1回5mgまたは10mgの投与が標準です。
1回5mgを服用しても効果不十分な場合には、1回10mgまで増量されることがあります。
適切に決められた用量を継続的に服用し、定期的な血液検査や体重・血糖値の経過観察を行うことで、ダイエット効果の最大化と安全性の確保が可能となります。
ガイドラインでも、正確な服用および自己中断の回避が強調されており、これによって目標とする体重減少や健康維持を実現できます。
フォシーガを使っているのに痩せない人によくあるQ&A
フォシーガを使っても痩せない人によくある質問をまとめました。
Q1.どれくらいの期間で、何キロくらい痩せますか?
フォシーガによる効果は個人差が大きいですが、平均して3ヶ月で体重の3〜5%程度の減少を目指す方が多いです。
急激に痩せる薬ではないため、継続することが何より大切です。
Q2.他のダイエット薬(GLP-1など)との違いは?
フォシーガが「糖の排出を促す」のに対し、GLP-1受容体作動薬(リベルサスやマンジャロ)は「食欲そのものを抑える」アプローチです。
甘いものがやめられない方はフォシーガ、食べる量自体を減らしたい方はGLP-1が向いている場合があります。
どちらが合うかわからない人は、医師との相談で最適な薬を選びましょう。
Q3.フォシーガをやめたらリバウンドしますか?
薬をやめれば糖の排出効果はなくなりますが、リバウンドするかはその人次第です。
服用中に身につけた健康的な食生活や運動習慣を継続できるかどうかが、リバウンド防止の最大の鍵です。
フォシーガは、あくまで良い習慣を身につけるための「サポーター」と考えましょう。
フォシーガは急激に痩せる薬ではない!ダイエット効果が見られない時は食事・運動習慣も見直そう!
フォシーガは「飲むだけで痩せる」と聞くと魔法のように思えますが、ただ服用するだけでは効果を最大限に引き出すことはできません。
もともとは2型糖尿病の治療薬として使われていましたが、体重減少効果に注目が集まり、現在ではダイエット目的の自由診療でも広く処方されています。
ただし、フォシーガだけでは効果が薄く、食事・運動習慣を組み合わせることで大きな効果が期待できることを覚えておきましょう。