マンジャロは筋肉痛の副作用がある?原因や対策・安全にダイエットを進めるコツも紹介

マンジャロはダイエット効果が高い一方、筋肉痛の副作用を感じる方もいます。

これは主に、薬剤の影響による体内の電解質バランスや栄養状況の変化、急激な体重減少による筋肉への負荷が要因とされています。

重大な副作用として低血糖症状(脱力感,高度の空腹感,冷汗,顔面蒼白,動悸,振戦,頭痛,めまい,嘔気,視覚異常等)や急性膵炎が起こりえること,また,比較的頻度の高い副作用として,悪心,嘔吐,下痢,便秘,腹痛などの消化器症状が認められていることを電子添文で注意喚起しており,適応外で使用された場合であってもこうした副作用が生じるおそれがあります。

引用:GLP-1 受容体作動薬及び GIP/GLP-1
受容体作動薬の適正使用について

この記事は、マンジャロ使用中に筋肉痛のような症状を感じている方に向けて、原因と対策を医師の視点でわかりやすく解説します。

なお、筋肉痛が強い・吐き気や発熱がある場合は、様子見せず早めに病院を受診してください。

マンジャロでダイエット失敗の原因は薬だけに頼りすぎ?

マンジャロは筋肉痛の副作用がある?

マンジャロ(一般名:チルゼパチド)は、2型糖尿病治療薬として利用されているGLP-1/GIP受容体作動薬です。(患者向医薬品ガイド・マンジャロ

副作用としては、主に消化器系症状や注射部位の反応、稀なアレルギー反応などが報告されています。

筋肉痛自体は頻度として高くありませんが、重大な副作用として横紋筋融解症のリスクは医薬品添付文書にも記載されています。(地方厚生局

重大な副作用は横紋筋融解症

横紋筋融解症は極めてまれですが、もし気づいた場合は迅速な処置が必要となる副作用です。

横紋筋融解症は、骨格筋の細胞が融解、壊死することにより、筋肉の痛みや脱力などを生じる病態をいいます。

引用:横紋筋融解症・重篤副作用疾患別対応マニュアル

横紋筋融解症の初期症状は、通常の筋肉痛と似ているため見逃されがちです。

  • 筋肉痛が異常に強く、長期間続く
  • 筋肉が腫れている、熱を持っているように感じる
  • 尿の色が濃い茶色〜赤色に変化する(ミオグロビン尿)
  • 全身のだるさ、吐き気、発熱などを伴う

これらの症状は、単なる運動による筋肉痛とは異なり、筋肉組織の破壊が進行している可能性があります。

とくに、尿の色が濃い茶色~赤に変化した場合は、早めに意思へ相談することが重要です。

マンジャロで筋肉痛が起きる原因

マンジャロ使用中に感じる筋肉痛のような症状は、必ずしも薬そのものの副作用ではなく、栄養バランスや生活習慣の変化が影響しているケースが多いです。

マンジャロは食欲を抑える作用が強いのでタンパク質や水分の摂取量が不足するうえ、体重減少に伴って活動量が増えることで筋肉に負荷がかかることが原因なこともあります。

実際に、マンジャロは激しい筋肉運動をしている人は医師に相談のうえ使用できるかどうかが判断されると明記されています。(患者向医薬品ガイド・マンジャロ

ここでは、マンジャロ使用中に筋肉痛が起こる可能性のある「3つの主な原因」について、医学的な視点から詳しく解説していきます。

タンパク質不足による筋肉分解

マンジャロは食欲を抑える作用が強く、摂取カロリーが自然と減ることで体重が落ちていきます。

一方で、タンパク質の摂取量まで減ってしまうと、筋肉の維持に必要な栄養が不足し、筋肉分解が起こる可能性があります。(農畜産業振興機構:骨格筋量の維持・増加に向けたたんぱく質摂取の重要性

筋肉は、エネルギーが足りない状態になると、筋肉の修復や維持がうまくいかず、張りや痛みとして違和感が現れることも。

また、急激な体重減少によって筋肉量が落ちると、日常動作でも筋肉痛のような症状が出やすくなるのです。

脱水と電解質バランスの乱れ

マンジャロの使用によって食欲が抑えられると、食事量だけでなく水分摂取量も自然と減ってしまうことがあります。

水分が不足すると筋肉の収縮や神経伝達に必要なミネラルが不足し、筋肉のこわばりや痛み、けいれんといった症状が現れることがあります。

とくに、ふくらはぎや太ももなどの大きな筋肉は影響を受けやすく、「筋肉痛のような違和感」として感じられることも。

また、脱水状態では血流が悪くなり、筋肉への酸素や栄養の供給が滞ることで疲労感が強まることもあります。

急な運動による通常の筋肉痛

マンジャロの効果で体重が減り始めて急に運動量を増やすと、筋肉が慣れていない刺激を受けて筋肉痛が起こることがあります。

とくに、これまで運動習慣がなかった方がウォーキングや筋トレを始めた場合、筋繊維が微細に損傷し、それを修復する過程で痛みや張りが生じるのは自然な反応です。

これは「良い筋肉痛」とも言われ、体が変化に適応している証でもあります。

ただし、マンジャロ使用中は栄養や水分が不足しがちなため、通常の筋肉痛が強く感じられたり、回復が遅れることもあるため注意が必要です。

マンジャロを使用中に筋肉痛を感じたらどうする?

マンジャロ(一般名:チルゼパチド)を使用している際に筋肉痛を感じるケースは、一部の症例で報告されています。

この筋肉痛は、薬剤の作用で電解質バランスや代謝が変化し、筋肉への負荷が一時的に増すことや、栄養吸収やエネルギー供給が乱れることで発生する可能性が指摘されています。

ここでは、マンジャロの筋肉痛のなかでも注意したいケースについて紹介します。

筋肉痛がひどい・痛みがある場合

筋肉痛が通常の範囲を超え、痛みが強くて日常生活に支障をきたす場合は重大な副作用の可能性があります。

とくに「横紋筋融解症」というまれな重篤症状が疑われる場合もあり、これは筋肉細胞が破壊されて腎臓に負担をかける危険性があります。

横紋筋融解症は多臓器不全などを併発して生命に危険が及んだり、回復しても重篤な障害を残したりする可能性のある危険な副作用です。

引用:重篤副作用疾患別対応マニュアル・横紋筋融解症

この症状は筋肉の腫れや熱感、尿の色の変化(濃い茶色や赤色)を伴うことがあり、放置しないことが重要です。

そのため、痛みや異常があれば、速やかに医療機関を受診してください。

筋肉量の少ない人や高齢者は注意が必要

筋肉量の少ない方、高齢者はとくにマンジャロ使用中の筋肉痛に注意が必要です。

筋肉量が低いことで筋肉の代謝負担が増しやすく、必要なタンパク質やエネルギーが不足すると筋肉が分解されやすくなるからです。

高齢者の場合は、もともと筋肉量が低下傾向にあるため、急激なカロリー制限や栄養バランスの乱れによって筋力低下や転倒リスクが増加する可能性があります。

長期間続く場合は医師に相談する

マンジャロ使用中の筋肉痛が弱くても長期間続く場合、医師への相談が必要です。

なぜなら、筋肉痛の持続や筋肉の腫れ、全身のだるさ、尿の色の異常(赤褐色など)が現れる場合、「横紋筋融解症」など重篤な副作用の可能性も否定できないからです。

横紋筋融解症は、筋肉組織が急激に壊れることで腎臓などに有害な成分が流出するリスクがある疾患です。

こうした症状を放置すると健康被害のリスクにつながるため、異常があれば速やかに診療機関を受診して検査を受けることが重要です。

マンジャロの筋肉痛を防ぐには?

マンジャロ使用中に起こる筋肉痛の多くは、栄養・水分・運動習慣の見直しで予防・改善が可能です。

脱水による循環不全を改善し、筋肉痛を予防するために、運動前は必ず水分を摂り、運動中も200ml程度をこまめにゆっくり飲むのが効果的だとされています。

引用:大正製薬・筋肉痛

ここでは、筋肉痛を防ぎながらマンジャロの効果を最大限に引き出すための、3つの具体的な対策をご紹介します。

タンパク質を意識して摂る

マンジャロの作用で食欲が落ちると、食事量が減ってしまいがちです。

とくに、タンパク質は、筋肉の維持・修復に欠かせない栄養素。

筋肉・臓器・皮膚・毛髪などの体構成成分、ホルモン・酵素・抗体などの体調節機能成分、豆・卵・肉・魚などの食品成分として存在する重要な栄養素。

摂取量が不足すると、筋肉分解が進み、痛みや張りの原因になることがあります。

項目 内容
1日あたりの目安量 体重1kgあたり1〜1.5gのタンパク質が理想。
手軽な高タンパク食品 ゆで卵、豆腐、納豆、ギリシャヨーグルト、サラダチキン、プロテインバーなど。
食事の回数を分けて摂る 一度に多く食べられない場合は、朝・昼・夕・間食に分けて少量ずつ摂取。
プロテインドリンクの活用 食事が不安定な日は補助的にプロテインを摂るのも有効。

水分・電解質を補給する

マンジャロの使用中は、食事量の減少や利尿作用の影響で、知らず知らずのうちに水分と電解質が不足しがちです。

水分や電解質が不足すると筋肉のこわばりや痛みの原因になることもあるため、意識的な補給がとても重要です。

水分と電解質のバランスが整うことで、筋肉の働きがスムーズになり、痛みや張りの予防につながります。

対策・ポイント 内容
こまめな水分補給 喉が渇く前に1日を通して少量ずつ飲むのが理想。目安は1.5〜2L程度。
ミネラル入りの飲料活用 ナトリウム・カリウム・マグネシウムを含む経口補水液やスポーツドリンクを適量取り入れる。
食事からも電解質摂取 野菜、果物、海藻、味噌汁などから自然な形でミネラルを補給するのも効果的。
カフェイン・アルコール摂取制限 利尿作用が強く脱水を助長するため、摂取量は控えめに。

運動は軽いものから少しずつ始める

マンジャロの摂取と同時に行う、急な運動は筋肉に負担をかけ、痛みや張りの原因になることもあるため注意が必要です。

マンジャロの効果を最大限に活かすには、「痩せるだけでなく、動ける体をつくる」意識が大切

無理なく続けられる運動習慣を身につけることで、筋肉痛の予防だけでなく、リバウンド防止にもつながります。

マンジャロの筋肉痛以外の副作用

マンジャロには、筋肉痛以外にもいくつかの副作用が報告されています。(GLP-1 受容体作動薬及び GIP/GLP-1
受容体作動薬の適正使用について

ここでは、マンジャロ服用時に起こりやすい3つの副作用について紹介します。

①消化器系の副作用

マンジャロの最も多い副作用は、吐き気や腹痛といった消化器に関する症状です。

実際に報告されている副作用としては、以下のような症状です。

  • 吐き気
  • 下痢
  • 嘔吐
  • 便秘

なぜマンジャロで消化器系の副作用が出るかというと、胃排出遅延や腸運動の変化が影響することが理由です。

多くの場合、投与初期〜数週間で症状が現れて徐々に軽減する傾向ですが、重篤な場合には医師の判断で投与中止や用量調整が実施されます。

②注射部位の腫れや赤み

マンジャロは皮下注射で使用されるため、注射部位の腫れ、赤み、痛みなどです。

  • 腫れ
  • 赤み
  • 痛み

反応は一時的で数日以内に自然消失するケースが大多数ですが、ごく稀に感染症や皮膚炎を併発する場合があるため、なかなか赤みや痛みがひかない場合は注意が必要です。

③アレルギー反応

稀ではありますが、マンジャロの投与によってアレルギー反応を生じるリスクがあります。

主な症状は発疹、かゆみ、呼吸困難、血管浮腫(唇や顔の腫れ)などです。

重大な副作用としてアナフィラキシーも臨床報告されており、添付文書上で注意喚起されています。

「重大な副作用」の項に「アナフィラキシー、血管性浮腫」を追記する。

引用:チルゼパチドの「使用上の注意」の改訂について 

アレルギー反応の発現率は極めて低いですが、既往歴や過敏症が確認された場合は投与前に必ず医師へ申告することが重要です。

マンジャロで安全にダイエットを進める方法

マンジャロは副作用も報告されているため、安全にダイエットを進めるには医者の指導のもと使用することが原則です。

高血圧、脂質異常症又は 2 型糖尿病並びに肥満症の病態、経過と予後、診断、治療を熟知し、本剤についての十分な知識を有している医師(以下の<医師要件>参照)の指導のもとで本剤の処方が可能な医療機関であること。

引用:肥満症の効能又は効果を有するチルゼパチド製剤に係る最適使用推進ガイドラインの策定に伴う留意事項について

ほかにも、いくつか安全に使用するときの方法があるので解説します。

医者の指導のもと使用する

マンジャロは、医師の診断・指導のもとで使用することが大原則です。

自己判断で薬剤を打つと、低血糖・重篤な副作用など健康上の重大なリスクを招きます。(GLP-1 受容体作動薬及び GIP/GLP-1受容体作動薬の適正使用について

医師による問診や血液検査を通じて適応症を判定し、投与量や投与間隔を適切に管理できます。

また、マンジャロは適切な温度管理も必要なので、医師による具体的なアドバイスを受けた上で使いましょう。

短期間で過度なダイエット計画をしない

マンジャロは本来糖尿病治療のため使われるほど効果があり、短期間でもダイエット効果が期待できます。

ただし、短期間で過度な減量計画を立てると、急激な体重減少による低血糖、栄養失調、内臓機能障害など医学的リスクが高まることが報告されています。

農林水産省でも体重減少の安全なペースは月1~2kgを目安とし、極端な食事制限や無理な運動は推奨されません。

ダイエットをするなら食事と運動を組み合わせて、月1~2kgのペースで体重を落としていきましょう。

引用:農林水産省・美しさは健康から

短期集中による「激ヤセ」を狙った場合、リバウンド(体重の戻り)リスクが急増することも明らかです。

生活習慣にも注意する

マンジャロで安全に減量を進めるためには、薬だけに頼らず生活習慣の改善も不可欠です。

適切な食事管理、バランスの取れた栄養摂取、毎日の運動習慣は薬剤効果を最大限に引き出します。

また、睡眠不足やストレス、アルコール多量摂取などの生活習慣が乱れると、薬剤の効果や副作用のリスク管理が出やすくなるので注意が必要です。

薬剤治療はあくまで補助的な方法であり、健康管理の基本は生活習慣から見直すことが重要です。

マンジャロと筋肉痛に関するQ&A

ここでは、マンジャロと筋肉痛に関するよくある質問をまとめました。

Q1: マンジャロ使用中に筋肉痛を感じることがありますか?

実際に、マンジャロ投与中に筋肉痛を感じる方が報告されています。

とくに、マンジャロは食欲抑制効果が強いため、タンパク質など筋肉維持に必要な栄養摂取量が不足しやすく、筋肉分解のリスクが高まることがあります。

軽度であれば問題ありませんが、長期にわたる場合や生活に支障をきたす場合は医師の診察が推奨されます。

Q2: 筋肉痛が起きた場合、どのタイミングで医師に相談すべき?

筋肉痛が異常に強い・長期間続く場合や、腫れ・熱感・尿の色変化(濃茶色~赤色)・発熱・吐き気など全身症状がある場合は、速やかに医師へ相談が必要です。

このような症状は横紋筋融解症など重篤な合併症を疑われ、早急な診断・治療が必要となります。

筋肉痛の予防策や軽減方法はありますか?

マンジャロ使用中の筋肉痛予防には、タンパク質・水分・ミネラルなど必要な栄養素を充分に摂取することが大切です。

体重減少中は筋肉量が低下しやすいため、適度な筋トレや有酸素運動も有効ですが、無理な運動は逆効果になることもあります。

違和感がある場合は休息・栄養補給を心がけ、症状が重い場合は早めに医師へ相談すると安心です。

自分で判断できない症状のときは医療機関の指導を仰いでください。

マンジャロは筋肉痛が出る恐れがある!

マンジャロ使用中に筋肉痛のような症状が続くと、「病院に行くほどではないかも…」「でも少し不安…」と迷う方も多いのではないでしょうか。

マンジャロの筋肉痛が心配な人は、オンラインの正規クリニックがおすすめです。

正規提携クリニックで相談することで、症状の原因や対処法が明確になり、安心してマンジャロを継続することができます。

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