ジャディアンスは「EMPA-REG OUTCOME試験」で心血管死リスクを38%減少させる心臓保護効果が報告されており、慢性心不全や腎臓病の合併症リスクが高い患者にとくに推奨されます。
一方、フォシーガは1型糖尿病にも適応を持ち、国内での処方実績が豊富であることから、患者の体質や病状、服用目的によって選択されます。(アストラゼネカ株式会社)
費用面やジェネリックの有無も選択の参考になるため、医師と相談しながら最適な薬剤を選ぶことが重要です。
フォシーガのダイエット効果と効果がでる仕組みを根拠を含めて解説!
フォシーガとジャディアンスの違い
フォシーガ・ジャディアンスはどちらも、体内の余分な等を尿として排泄し、体重減少効果が期待できます。
| 比較項目 | ジャディアンス | フォシーガ |
|---|---|---|
| 成分 | エンパグリフロジン | ダパグリフロジン |
| 飲み方 | 10mgまたは25mg、朝食前または朝食後 | 5mgまたは10mg、食前後問わず |
| 体重減少量 | 10mgで約-1.29kg、25mgで-2.15kg | 5mgで約-2.56kg、10mgで-3.17kg |
| 主な適応 | 2型糖尿病、慢性心不全 | 1型・2型糖尿病、慢性心不全、慢性腎不全 |
具体的に、どのような違いがあるのか以下の観点で解説します。
飲み方:量・タイミング
フォシーガとジャディアンスはどちらもSGLT2阻害薬ですが、飲み方に違いがあります。
ジャディアンスは10mgまたは25mgの錠剤を1日1回、一般的に朝食前または朝食後に服用します。
一方、フォシーガは5mgまたは10mgの錠剤を1日1回服用し、食事の前後を問わずいつでも飲める点が特徴です。
食事に関係なくいつでも飲むことができます。
フォシーガは、毎日の服薬ルーティンが柔軟に組めるため、継続しやすい特長があります。
体重減少効果
臨床試験では、フォシーガの方がより強い減量効果が示されています。
ジャディアンスを10mg24週間(半年)飲んだ結果、平均で-1.93kg。(ジャディアンス 医療用医薬品)
対してフォシーガは同じ条件で、平均3.17kgの体重減少効果が確認されています。(フォシーガ錠 臨床臨床に関する概括評価)
治療したい疾患
ジャディアンスは主に2型糖尿病および慢性心不全の治療に適応されており、25mgへの増量が糖尿病併発時に可能です。
フォシーガは2型糖尿病に加え1型糖尿病や慢性心不全、さらには慢性腎不全の治療にも適応があります。
とくに、1型糖尿病での使用はフォシーガとスーグラのみ認められており、インスリン治療との併用が可能です。
フォシーガとジャディアンスの選び方
フォシーガとジャディアンスはどちらもSGLT2阻害薬の一つで、主に糖の尿中排泄を促進し、その結果として体重減少をもたらします。
どちらが自分に合うか見極めるには、以下のようなポイントがあります。
強いダイエット効果を期待したいならフォシーガ
強いダイエット効果を期待したいなら、フォシーガのほうがおすすめです。
臨床試験では、24週間の使用で平均3.17kgとジャディアンスの約1.6倍の減量効果が報告されています。(ジャディアンス 医療用医薬品)(フォシーガ錠 臨床臨床に関する概括評価)
とくに、体脂肪の減少に効果があり、生活習慣の改善と合わせて無理なく継続できる点でも優れていると言えるでしょう。
朝に健康を意識して継続利用したいならジャディアンス
ジャディアンス(エンパグリフロジン)は、同じくSGLT2阻害薬でありながら、心臓や腎臓保護に関する大規模臨床試験が豊富にあることが特徴です。
服用は1日1回、とくに朝の継続服用が推奨されており、生活リズムに合わせやすい点がメリットです。
また、心不全の再入院リスクを減らすなど、糖尿病だけでなく心血管疾患のリスクケアにも有効とされています。
そのため、体重減少だけでなく健康維持も意識する人に選ばれやすい薬剤です。
フォシーガでのダイエットがおすすめな人の特徴
SGLT2阻害薬のひとつであるフォシーガは、血糖値の改善だけでなく、心臓や腎臓への保護効果も期待される薬剤です。
しかし、すべての人に適しているわけではなく、体質や既往歴によっては注意が必要なケースもあります。
ここでは、フォシーガが特に効果を発揮しやすい人と、慎重な判断が求められる人の特徴を整理しました。
フォシーガが向いている人
ダイエット目的の処方実績が最も多く、まさに「王道」の選択肢。
多くのクリニックで採用されており、ジェネリックも登場したことで、コスト面でも選びやすくなりました。
初めてで不安な方は、まずフォシーガを軸に相談するのがおすすめです。
- 2型糖尿病で体重減少も目指したい人
- 心不全や慢性腎臓病の既往がある人
- 利尿作用によるむくみ改善を期待する人
- 服薬回数を減らしたい人
- 他のSGLT2阻害薬で副作用が出た人
フォシーガが向いていない人
フォシーガは多くの人にとって有効な選択肢となり得るSGLT2阻害薬ですが、すべての人に適しているわけではありません。
- 1型糖尿病の人
- 脱水傾向がある人、高齢で水分摂取が難しい人
- 尿路感染症や膀胱炎を繰り返している人
- 重度の腎機能障害がある人
- 妊娠中・授乳中の人
体質や既往歴、生活環境によっては、副作用のリスクが高まったり、十分な効果が得られない場合もあるので、医師と相談のうえ服用してください。
ジャディアンスでのダイエットがおすすめな人の特徴
ジャディアンス(有効成分:エンパグリフロジン)は、もともと2型糖尿病患者向けに開発されたSGLT2阻害薬の一種です。
体内の糖を尿と共に排出し、1日あたり約280kcalのカロリー損失をもたらすことが主な作用で、結果的に体重減少が期待できます。
ここでは、ジャディアンスの効果が発揮しやすい人と、慎重な判断が求められる人の特徴を整理しました。
ジャディアンスが向いている人
ジャディアンスは主に2型糖尿病患者の血糖コントロール改善を目的に開発されたSGLT2阻害薬であり、体重減少効果が期待できます。
BMIが高く、糖尿病または慢性心不全、慢性腎臓病の診断がある方に適しています。
さらに、心血管疾患リスク低減効果も報告され、健康維持を目的に考えている人にもおすすめです。
- 2型糖尿病、慢性心不全、慢性腎臓病の診断されている人
- 1日1回の服用を守れる人
- 他のSGLT2阻害薬で副作用が出た人
ジャディアンスが向いていない人
ジャディアンスは2型糖尿病治療薬であり、フォシーガ同様に腎機能が著しく低下している方や、1型糖尿病患者、妊娠中・授乳中の方には向いていません。
尿中に糖を排泄させる作用ゆえに、脱水症状や尿路感染症のリスクが高まる可能性があり、高齢者や水分補給が十分でない方も注意が必要です。
さらに、低血糖リスクのある薬剤(インスリン等)を併用している場合は医師との厳格な管理が不可欠です。
フォシーガとジャディアンスの共通するダイエット向けの注意点
ダイエット効果を期待できるフォシーガとジャディアンスですが、どちらにも共通して注意したい点があります。
把握したうえで服用することで、本来のダイエット効果を期待できます。
海外サイト経由の個人輸入を利用しない
フォシーガやジャディアンスは、日本で医師の診察・処方のもと使用が可能となります。
海外サイトを通した個人輸入は安く気軽に手に入れられる一方で、医薬品の品質や安全性が保証されず、偽造薬や劣化品のリスクが高いです。
厚生労働省でも、海外個人輸入による医薬品使用に関して、事故例や副作用報告が多く報告されているため注意喚起しています。
とくに、SGLT2阻害薬のような血糖降下薬は、適正な診断なく自己判断で使うことで低血糖や脱水、感染症など重大な副作用の発症リスクが高まるので注意が必要です。
必ず専門医の指導を受け、正規の医療機関から処方を受けるようにしましょう。
副作用に気づいたら医師に相談する
フォシーガおよびジャディアンスの主な副作用には脱水症状、尿路・性器感染症、低血糖、ケトアシドーシスなどがあり、これらは命に関わる場合があります。
例えば、脱水の初期症状として口渇やめまい、尿量減少が現れ、早期に対応しなければ腎機能障害に進展する恐れがあります。
日本糖尿病学会の糖尿病治療ガイドでも、これらの症状に気づいた際は速やかに医療機関を受診し、適切な治療や薬剤調整を受けることを強調しています。
服用中は体調変化に注意をし、異常を感じたら速やかに医師に相談することが不可欠です。
服用中の極度の糖質制限はNG
フォシーガおよびジャディアンスは尿中に糖を排出して血糖を下げる作用があるため、厳しい糖質制限と併用すると低血糖リスクが大幅に高まります。
日本糖尿病学会の「SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation(2019年)」では、食事療法はバランス良く行うべきで、極端な糖質制限は禁止されています。
また、極度の糖質制限はケトアシドーシスの誘発要因にもなるため注意が必要です。
フォシーガを選んだ理由と実際の使用感






フォシーガとジャディアンスの選び方は体質と目的で変わる!医師と相談して自分に合う方を選ぼう!
フォシーガとジャディアンスはどちらもSGLT2阻害薬ですが、体質や目的により選び方が変わります。
フォシーガは食事のタイミングを問わず服用でき、より強いダイエット効果を期待する人に適しています。
一方ジャディアンスは、心臓や腎臓の保護効果が豊富に臨床試験で示されており、長期的な健康維持を重視する人に向いていると言えるでしょう。