看護師を専門学校で目指す場合、学費を大学より抑えつつ、在学中から長期間の臨地実習を通じて医療現場の経験を積むことが可能です。
大学、短期大学に比べ、現場での実践力を養う教育に比重
が置かれている。大学編入学可能(3年次)引用:日本看護学校協議会「看護師等学校養成所の選択」
看護師養成課程を持つ専門学校は、文部科学省および厚生労働省が定める指定基準に基づき運営されており、修業年限やカリキュラム、実習時間が全国で一定水準に保たれています。
そのため、看護分野が初めての人でも、制度上の仕組みを理解すれば進路選択の判断がしやすいのが特徴です。
本記事では、看護師を専門学校で目指す場合のおすすめの学校や、専門学校と大学・短大との違いを解説します。
看護師を目指せるおすすめの専門学校
看護師を目指せるおすすめの専門学校を厳選して紹介します。
看護師を目指せるおすすめの専門学校
JCHO 大阪病院附属看護専門学校
JCHO大阪病院附属看護専門学校は、独立行政法人・地域医療機能推進機構(JCHO)が運営する看護専門学校です。
JCHOは国内に多数の病院・医療施設を持つ大規模な医療組織であり、実習・臨地指導の環境が充実していることが特徴です。
大阪病院附属看護専門学校では、看護職に不可欠な知識・技能・態度をバランス良く育成する教育を行い、教育理念に基づき自律した看護師の育成を目指しています。
また、併設病院等と連携した実習体制により、現場での実践力が養われる点で高く評価されています。
卒業後もJCHOグループのネットワークを活かした研修・キャリア支援が受けられ、就職後の成長サポートも強みです。
こうした教育・サポート体制が整っているため、看護師を目指すうえで安定した学びと実践経験を得られる学校としておすすめです。
| 名称 | JCHO大阪病院附属看護専門学校 |
| 連絡先 | 大阪市福島区福島4-2-78 |
| 所在地 | 06-6441-5451 |
至誠会 看護専門学校
至誠会看護専門学校は、東京女子医科大学の同窓会組織である一般社団法人至誠会が設立・運営する看護専門学校です。
創立以来、地域医療に貢献する看護師の育成に注力しており、平成2年の開校以来、看護専門職として必要な基礎力と専門力を段階的に身につけられる教育カリキュラムを提供しています。
また、少人数制教育を採用しているため、一人ひとりにきめ細かい指導が行われる環境が整っています。
校舎が新しく設備が充実していることに加え、実習病院として至誠会第二病院が隣接し、学内で学んだ知識をすぐに現場で実践する機会が多い点も利点です。
さらに、学生生活面の支援としてカウンセリングや学生寮・託児施設の整備など、さまざまな生活支援制度が用意されています。
こうした教育体制と学生支援の両面が充実しているため、看護師国家資格取得を目指す学生にとって学びやすい環境が整っている学校と言えます。
| 名称 | 至誠会 看護専門学校 |
| 連絡先 | 03-6279-6601 |
| 所在地 | 東京都世田谷区上祖師谷5-23-1 |
報徳看護専門学校
報徳看護専門学校は2007年に開校された看護師養成の専門学校で、「報徳の教え」を教育理念の基盤として看護師としての倫理観や豊かな人間性の育成を重視しています。
本校は、実践的な職業教育として文部科学省の「職業実践専門課程」の認定を受けており、現場で即戦力となる看護技術と判断力を学べるカリキュラムが組まれている点が特徴です。
また、放送大学との連携により希望者は通信教育を通じて学士取得の道も選択でき、専門教育に加えて学びの幅を広げることが可能です。
さらに厚生労働省による教育訓練給付制度の指定講座として認定されているため、社会人が学び直しやキャリアアップを目指す際の経済的なサポートも受けられる点も強みです。
こうした実践教育と柔軟な学習支援体制により、看護師として必要な専門性と実践力を身につけられる学校としておすすめです。
| 名称 | 報徳看護専門学校 |
| 連絡先 | 028-688-4040 |
| 所在地 | 栃木県宇都宮市上横田町1302-12 |
看護師を目指せる専門学校とは
看護師を目指せる専門学校とは、厚生労働省が定める「看護師養成所指定規則」に基づき、看護師国家試験の受験資格を得るための教育課程を提供する教育機関です。
修了要件を満たすことで、看護師国家試験の受験資格が付与されます。
大学や短期大学と同様に、解剖生理学、看護学概論、基礎看護学、臨地実習など、国家試験に対応したカリキュラムが組まれています。
なかでも専門学校は「職業実践的な教育」に重点を置いている点が特徴です。
ここでは、具体的に看護師を目指せる専門学校の特徴を解説します。
取得できる資格
看護師を目指せる専門学校を卒業すると、看護師国家試験の受験資格を取得できます。
これは厚生労働省が指定する養成課程を修了した者のみに与えられる資格要件であり、専門学校・大学・短期大学のいずれでも制度上の違いはありません。
国家試験に合格した後、厚生労働大臣名で看護師免許が交付され、はじめて「看護師」として就業が可能になります。
なお、准看護師資格とは制度上異なり、専門学校で取得できるのは正看護師(看護師免許)です。
これらの資格制度は全国共通で、地域差はありません。
修業年限
看護師を目指せる専門学校の修業年限は、原則3年以上と定められています。
これは「看護師養成所指定規則」により全国一律で規定されています。
3年間で修了する専門学校が最も多く、総授業時間数は3,000時間以上の講義・演習・臨地実習に分かれており、特に実習時間は全体の3分の1以上を占めているのが特徴です。
大学(4年制)と比較すると修業年限は短いですが、国家試験受験資格に必要な教育内容は満たす必要があるため、学習密度は高い構成です。
なお、夜間制や定時制の場合でも、総時間数が不足しないよう修業年限が4年となるケースがあります。
大学・短大との違い
看護師養成における専門学校・大学・短期大学の違いは、修業年限・取得できる学位・教育目的にあります。
以下は制度上の主な違いを整理した比較表です。
| 項目 | 専門学校 | 短期大学 | 大学 |
|---|---|---|---|
| 修業年限 | 3年 | 3年 | 4年 |
| 学位 | なし | 短期大学士 | 学士 |
| 国家試験受験資格 | あり | あり | あり |
| 教育の特徴 | 実務重視 | 実務+教養 | 研究・理論重視 |
専門学校は学位が付与されない一方、看護師として必要な知識・技術の習得に特化した教育が行われます。
大学は研究・管理・教育分野への進路も想定したカリキュラムである点が制度上の違いです。
看護師になるための学校の選択肢
看護師になるためには、文部科学省または厚生労働省が認可した養成機関を卒業し、看護師国家試験に合格する必要があります。
養成機関には複数の種類があり、それぞれ修業年限、取得できる学位、進学や就職の選択肢が異なります。
代表的な進路として「4年制大学」「3年制短期大学」「高等学校5年一貫校」「3年制専門学校」があり、自身の学習期間やキャリア設計に応じて選ぶことが可能です。
引用:日本看護学校協議会「看護師等学校養成所の選択」
以下では、それぞれの制度的な特徴を整理します。
4年制大学
看護系の4年制大学では、4年間で看護学の専門知識と一般教養を体系的に学びます。
卒業時には「学士(看護学)」の学位が授与され、看護師国家試験の受験資格を取得できます。
大学では、看護技術だけでなく、統計学・研究方法・公衆衛生・倫理なども学習範囲に含まれるのが特徴です。
文部科学省が定める大学設置基準に基づき、講義・演習・臨地実習が計画的に配置されています。
卒業後は病院就職に加え、大学院進学や保健師・助産師課程への進学ルートなど、選択肢が豊富に開かれています。
3年制短大
看護系の短期大学は修業年限が3年で、卒業時に「短期大学士(看護学)」の学位が授与されます。
3年間で国家試験受験資格を得られるため、大学より1年短い期間で看護師を目指せる点が制度上の特徴です。
教育内容は看護実践に直結する科目が中心で、臨地実習の比重も一定以上確保されています。
卒業後は就職が主流ですが、条件を満たせば4年制大学への編入学が可能なケースもあります。
高等学校5年一貫校
看護師資格が取れる高等学校5年一貫校とは、高等学校の看護科3年間と、専攻科2年間を合わせた計5年間の教育課程を修了することで、看護師国家試験の受験資格を得られる学校制度を指します。
この学校の特徴は、中学校卒業後から一貫した看護教育を受けられる点にあります。
高校段階から看護の基礎知識や技術を学び、専攻科では成人看護学・老年看護学・母性看護学など、看護師養成所と同等の専門教育と臨地実習が行われます。
学費面では、私立大学の看護学部と比べて総額が抑えられるケースが多く、早期から看護師を目指したい人にとって選択肢の一つになるでしょう。
一方で、進路変更がしにくい点や、設置校が限られている点には注意が必要です。
3年制専門学校
看護師養成の専門学校は、修業年限3年で看護師国家試験の受験資格を取得できる教育機関です。
厚生労働省が定める指定規則に基づき、必要な授業時間数・実習時間数が明確に規定されています。
教育内容は看護実務に直結した科目が中心で、講義・演習・臨地実習の割合が高い点が特徴です。
卒業時に学位は授与されませんが、国家試験合格後は大学卒業者と同じ「看護師免許」が付与されます。
専門学校は、看護師として就職を前提とした実践的な教育を重視する人におすすめです。
看護師を目指したい人が専門学校を選ぶメリット
看護師を目指せる専門学校は、学校教育法および厚生労働省が定める指定規則に基づき、看護師国家試験の受験資格を得られる教育機関です。
大学・短期大学と同様に国家資格取得を目的としつつ、修業年限・教育内容・費用面に明確な特徴があります。
以下では、専門学校を選択する際の代表的なメリットを紹介します。
看護師を目指したい人が専門学校を選ぶメリット
看護師免許が最短3年で取得できる
看護師養成の専門学校は、修業年限が原則3年以上と法律で定められています。
これは厚生労働省の「保健師助産師看護師学校養成所指定規則」に基づくもので、3年間の課程を修了することで看護師国家試験の受験資格が得られます。
一方、看護系大学の修業年限は4年が基本であり、資格取得までに1年の差があります。
このため、できるだけ早く国家資格を取得し就業したい人にとって、専門学校は時間的効率が高い進路といえます。
また、3年間で必要な専門科目・実習時間は制度上十分に確保されており、取得できる看護師免許は大学卒業者と同一です。
資格の法的効力や業務範囲に差はなく、あくまで「修了までの年数」が異なる点が特徴です。
臨床実習が多く医療現場での経験を積める
看護師養成課程では、講義だけでなく臨床実習が必須とされており、その時間数も国の基準で定められています。
専門学校では、実習を重視したカリキュラム編成が多く、早い段階から病院や施設での実践的な学習が組み込まれています。
臨床実習では、患者対応、バイタルサイン測定、看護記録の作成、チーム医療の理解など、現場で必要とされる基礎的行動を体系的に学ぶことが可能です。
これらは国家試験対策だけでなく、卒業後すぐに医療現場で働くための実務能力の形成につながります。
また、多くの専門学校は実習先として地域の病院と連携しており、就職先と直結するケースも少なくないため、進路を確実に確保したい人にもおすすめです。
大学と比べて学費が安い
看護師を目指す場合、進学先によって必要な学費総額には差があります。
文部科学省が公表している学校種別ごとの学費データでは、私立看護系大学の4年間の学費総額はおおむね600万~700万円程度とされています。
一方、看護師養成の専門学校(3年課程)の学費は、総額で300万~400万円程度に収まるケースが多く、修業年限が短い分、学費負担も抑えられる傾向があります。
さらに、専門学校は地域医療を支える人材育成を目的としていることが多く、奨学金制度や病院連携による学費支援制度が設けられている場合もあります。
学費という客観的な数値面から見ても、費用対効果を重視する場合の選択肢として合理性がある進路といえます。
看護師を専門学校で目指すと学費を抑えて医療現場の経験が積める
看護師を目指せる専門学校は、費用を抑えながら現場経験を積みたい人におすすめです。
看護師の専門学校は一般的に修業年限が3年と定められており、4年制大学と比較して1年短い期間で看護師国家試験の受験資格を得られます。
また、学費も全国平均で総額300万〜400万円前後とされるケースが多く、大学の看護学部(総額600万〜800万円程度)と比べて安く学ぶことが可能です。
在学中から病院や医療施設で実務に近い経験を積めるため、就職率は多くの学校でほぼ100%に近い水準を維持しており、安定した就職を目指したいならおすすめの選択肢と言えるでしょう。