介護福祉士を目指す専門学校は、都道府県知事が指定する介護福祉士養成施設の学科があるかを確かめ、実習先・学費・国家試験対策を比べて選びましょう。
養成施設の指定課程を修了すると、介護福祉士国家試験の受験資格を得られます。ただし、卒業年度によって国家試験や資格登録の条件が異なるため、卒業だけで無条件に資格を取得できるわけではありません。
一方、介護の仕事を続けながら資格取得を目指す場合は、原則3年以上の実務経験と実務者研修を経て国家試験を受ける方法があります。
進学を考えている方は学校ごとの学科・修業年限・実習内容を、働きながら目指す方は実務経験の要件と研修費用を確認し、自分に合うルートを絞り込んでください。
出典:社会福祉振興・試験センター「介護福祉士経過措置登録について」
介護福祉士を目指せる専門学校
介護福祉士を目指せる専門学校として、指定養成施設の「心理・福祉・ビジネス名古屋専門学校」と「沖縄福祉保育専門学校」を紹介します。どちらも2年制で、所定の課程を修了すると介護福祉士国家試験の受験資格を得られます。
通える地域に加え、実習や国家試験対策、入学年度の学費を比べてください。卒業だけで無条件に介護福祉士の資格が確定するわけではなく、資格登録の条件は卒業年度や国家試験の結果によって異なります。
| 学校・学科 | 修業年限 | 卒業時の受験資格 | 2027年度の募集情報 |
|---|---|---|---|
| 心理・福祉・ビジネス名古屋専門学校 介護福祉学科 |
2年 | 介護福祉士国家試験受験資格 | 留学生向け募集要項を公開 |
| 沖縄福祉保育専門学校 ヒューマン介護福祉科 |
2年 | 介護福祉士国家試験受験資格 | 推薦・一般入試の出願受付中 |
学費は学校ごとに公開情報の対象年度が異なるため、金額を並べていません。入学前に各校の募集要項で納入時期や追加費用を確認してください。
資格登録の条件は社会福祉振興・試験センター「介護福祉士経過措置登録について」を参照してください。
心理・福祉・ビジネス名古屋専門学校
心理・福祉・ビジネス名古屋専門学校(旧・保育・介護・ビジネス名古屋専門学校)は、2年制の介護福祉学科を設けています。2026年4月1日に校名が変更されました。
介護福祉学科は文部科学大臣認定の職業実践専門課程です。介護の知識・技術に加え、ゼミナールで事例を学び、国家試験対策にも取り組みます。学校が公表する2025年度の実施例では、1年次後期から受験対策を始め、2年次後期には週7コマの対策授業を行っています。
卒業時には介護福祉士国家試験の受験資格のほか、レクリエーション・インストラクター資格や専門士の取得が案内されています。介護福祉士の資格登録には別途条件があるため、卒業時に国家資格を無条件で取得できるという意味ではありません。
名古屋周辺で介護福祉士を目指す方は、入試区分や学費の最新条件を学校の募集要項で確かめてください。2027年度の留学生向け募集要項も公開されています。
| 名称 | 心理・福祉・ビジネス名古屋専門学校 |
| 所在地 | 愛知県名古屋市中区丸の内2-6-4 |
| 連絡先 | 052-222-5631(代表) |
| 公式サイト | 介護福祉学科の詳細 |
出典:校名変更のお知らせ/卒業時取得資格/2027年度留学生募集要項(2026年10月15日確認)
沖縄福祉保育専門学校
沖縄福祉保育専門学校のヒューマン介護福祉科は2年制で、介護の基礎から実習まで学べる学科です。地域行事や自治会活動を取り入れた体験型学習に加え、ICTやノーリフトケアなどの介護技術も扱っています。
2027年度入学生については、2026年10月1日から推薦入試・一般入試の願書受付が始まっています。入試区分ごとに出願資格や受付期間が異なるため、希望する方法の募集要項を確認してください。
学校公式サイトには介護福祉士や専門士などが取得可能な資格として掲載されています。ただし、養成施設の卒業による国家試験受験資格と、介護福祉士としての資格登録は分けて考える必要があります。
| 名称 | 沖縄福祉保育専門学校 |
| 所在地 | 沖縄県那覇市久米1-5-17 |
| 連絡先 | 098-868-5796 |
| 公式サイト | ヒューマン介護福祉科の詳細 |
出典:ヒューマン介護福祉科/2027年度入学生の募集情報(2026年10月15日確認)
介護福祉士資格取得の2つの方法
介護福祉士を目指す方法として、専門学校などの養成施設で学ぶルートと、介護現場で働きながら受験資格を得るルートがあります。ここでは進学と就職の2つを比較しますが、ほかにも福祉系高校やEPAによるルートがあります。
学校で基礎から学びたい場合は進学ルート、収入を得ながら経験を積みたい場合は実務経験ルートが候補です。資格取得までの条件は同じではないため、現在の状況に合わせて選んでください。
進学|養成施設の卒業で国家試験の受験資格を取得
進学ルートは、介護福祉士養成施設の指定課程を卒業して国家試験の受験資格を得る方法です。高卒者向けの専門学校は通常2年制ですが、学歴や保有資格によっては1年以上の課程もあります。
介護福祉士として登録するには原則として国家試験の合格が必要です。ただし、2017年4月1日から2032年3月31日までに養成施設を卒業する人には、試験に合格していなくても卒業後5年間は登録できる経過措置があります。
| 卒業年度 | 5年経過後も資格登録を継続する条件 |
|---|---|
| 2026年度まで | 国家試験の合格、または卒業後5年間継続した介護等の業務への従事 |
| 2027~2031年度 | 国家試験の合格 |
| 2032年度以降 | 経過措置の対象外。原則として国家試験の合格が必要 |
2026年度までの卒業者は、5年間継続して介護等の業務に従事するか、国家試験に合格すると登録を継続できます。2027年度から2031年度の卒業者は、5年を超えて登録を続けるには国家試験の合格が必要です。
入学前には卒業予定年度と国家試験対策の内容を確かめ、卒業後の資格登録まで見通して学校を選んでください。
出典:社会福祉振興・試験センター「介護福祉士経過措置登録について」(2026年10月15日確認)
就職|3年以上の実務経験と実務者研修を経て受験
実務経験ルートで国家試験を受けるには、対象となる施設・職種での従業期間3年以上(1,095日以上)と、実際に介護等の業務に従事した540日以上の両方が必要です。さらに、原則として実務者研修を修了します。
- 対象施設・職種での従業期間:3年以上(1,095日以上)
- 実際に介護等の業務に従事した日数:540日以上
- 実務者研修の修了(所定の代替要件を満たす場合を除く)
実務者研修は、無資格の場合450時間が基本です。介護職員初任者研修などを修了していれば、一部科目が免除されて受講時間が短くなる場合があります。
従事日数には休暇や研修など、介護業務を行っていない日は含めません。勤務先に対象職種と従事日数を確認し、実務者研修の受講期間・費用を調べたうえで受験の準備を進めてください。
出典:社会福祉振興・試験センター「実務経験+実務者研修」(2026年10月15日確認)
専門学校と他のルートの違い
専門学校と実務経験ルートの違いは、受験資格を得るまでの学び方と費用のかかり方です。基礎から授業と実習で学びたい方には養成施設、働きながら経験を積みたい方には実務経験ルートが向いています。
| 比較項目 | 専門学校などの養成施設 | 実務経験ルート |
|---|---|---|
| 受験資格を得る条件 | 指定課程を卒業する | 3年以上の実務経験と実務者研修等 |
| 学び方 | 授業と施設実習が中心 | 介護業務と研修を組み合わせる |
| 費用 | 入学金・授業料・実習関連費など | 実務者研修の受講料など |
| 向いている人 | 未経験から体系的に学びたい人 | 収入を得ながら資格を目指したい人 |
就職ルートなら必ず無料で資格を取得できるわけではありません。実務者研修の受講料などが発生するため、進学する場合は学校の学費総額、就職する場合は勤務先の研修支援と対象業務を調べて選択してください。
介護福祉士を目指して専門学校に通うメリット
介護福祉士を目指して専門学校に通うメリットは、2年制の課程で受験資格を得られること、授業と実習を通して介護を学べること、就職支援を利用できることです。
今回紹介した2校は、どちらも2年制の介護福祉士養成課程を設けています。卒業後の資格登録には別途条件があるため、受験資格の取得と介護福祉士の資格取得は区別してください。
学費は学校や入学年度によって異なります。ここでは、専門学校に進学するメリットを3つ紹介します。
2年制の養成施設で国家試験の受験資格を得られる
高校卒業後に入学する一般的な介護福祉士養成課程は、原則2年以上です。今回紹介した2校は2年制で、所定の課程を卒業すると国家試験の受験資格を得られます。
養成課程では、介護技術・医療的ケア・認知症の理解などを授業で学びます。2年以上の第1号養成施設には450時間の介護実習が定められており、現場で学ぶ時間も確保されています。
- 介護技術・生活支援
- 認知症の理解・医療的ケア
- 施設での介護実習(第1号養成施設:450時間)
実務経験ルートでは原則3年以上の対象業務経験と実務者研修が必要です。仕事を始める前に基礎から学びたい方にとって、2年制の養成施設は選択肢の一つになります。
出典:厚生労働省「介護福祉士養成施設の教育内容及び時間数について」
学費負担を軽減できる制度がある
専門学校の学費は学校や年度によって異なるため、2年間で一律の金額を目安にすることはできません。入学金・授業料だけでなく、教材費や実習費も含めた負担額を調べてください。
学費の負担を軽くしたい場合は、介護福祉士修学資金等貸付制度を利用できるか調べましょう。養成施設に在学する方や入学予定の方を対象に、無利子の貸付制度が設けられています。
| 項目 | 介護福祉士修学資金貸付制度 |
|---|---|
| 対象 | 介護福祉士養成施設の在学生・入学予定者 |
| 修学資金 | 月額5万円以内 |
| 入学準備金 | 20万円以内 |
| 就職準備金 | 20万円以内 |
| 返還免除 | 卒業後、介護福祉士として介護業務に5年間従事するなどの条件を満たした場合 |
この制度は給付金ではなく貸付金です。卒業後に介護福祉士として介護業務に5年間従事するなどの条件を満たせば、返還が全額免除されます。条件を満たさない場合には返還が必要です。
募集時期や審査条件は地域によって異なるため、進学先の学校と各都道府県の実施団体に確認してください。
出典:厚生労働省「介護福祉士・社会福祉士を目指す方々へ(修学資金貸付制度のご案内)」
実習経験や就職支援を進路選びに活かせる
専門学校では実習を通じて介護の仕事や職場の雰囲気を知ることができ、進路選びの材料になります。ただし、実習先への就職が保証されるわけではありません。
例えば、心理・福祉・ビジネス名古屋専門学校は、介護福祉学科の主な就職先を公式サイトで紹介しています。就職先の施設種別や学校の支援内容は、進学前に比較できます。
就職支援で確認する項目
- 希望する施設種別への就職実績とその対象年度
- 履歴書の添削や面接対策の有無
- 就職担当者への相談方法
- 実習先と卒業生の就職先の違い
資格取得前でも就職活動はできますが、介護福祉士国家試験の受験資格と、介護福祉士として登録済みであることは別です。応募時には取得済みの資格と取得予定の資格を区別して伝えてください。
介護福祉士を目指せる専門学校の選び方
介護福祉士を目指せる専門学校は、介護福祉士養成施設として指定された学科があることを前提に、実習内容と国家試験対策を比較して選びましょう。
学校名や知名度だけでは、国家試験の受験資格を得られるか判断できません。学校公式サイトや公的な養成施設一覧で対象学科を確かめたうえで、希望する介護現場での実習や学習支援が受けられるかを調べてください。
介護福祉士養成施設として指定されているか確認する
専門学校を選ぶ際は、希望する学科が介護福祉士養成施設の指定を受けているかを最初に確かめてください。
介護福祉士養成施設の指定は、学校の種類に応じて国の関係機関や都道府県知事が行っています。学校に介護・福祉関連の学科があっても、その学科の卒業だけで国家試験の受験資格を得られるとは限りません。
- 希望する学科が介護福祉士養成施設の指定を受けているか
- 入学予定年度に学生を募集しているか
- 卒業時に介護福祉士国家試験の受験資格を得られるか
指定状況は、WAM NETの介護福祉士養成施設検索から調べられます。学校公式サイトの学科情報や最新の募集要項とも照合してください。
指定が確認できない場合は、入学前に学校へ問い合わせることをおすすめします。なお、養成施設ルート以外の受験資格を別途満たしている場合は、国家試験を受けられる可能性があります。
出典:中国四国厚生局「介護福祉士学校に係る申請及び届出等について」
実習内容と実習先の種類を確認する
専門学校の実習環境を比べる際は、実習先の施設種別と、実際に経験できる介護業務に注目してください。
2年以上の第1号養成施設では、介護実習450時間が教育課程に定められています。ただし、実習先の種類や指導方法は学校によって異なるため、時間数だけでは学習環境の違いを判断できません。
| 実習先の例 | 確認したい内容 |
|---|---|
| 特別養護老人ホーム | 食事・入浴・排泄などの生活支援をどこまで経験できるか |
| 介護老人保健施設 | リハビリ職や看護職との連携を学べるか |
| 障害者支援施設 | 障害特性に応じた生活支援を経験できるか |
| 通所介護事業所 | 在宅生活を支える介護や利用者との関わりを学べるか |
例えば、高齢者施設への就職を考えているなら、特別養護老人ホームや介護老人保健施設での実習機会があるかを調べてください。障害福祉分野に関心がある方は、障害者支援施設での実習が選択肢になります。
また、実習中の指導体制や交通費などの追加負担も入学前に確認しておくと、通学を始めてからの負担を見積もりやすくなります。
実習施設の一覧やカリキュラムが公開されていない場合は、学校説明会で希望する分野の実習に参加できるか質問してください。
国家試験対策と合格実績を確認する
専門学校を選ぶ際は、国家試験対策の授業内容と、合格実績の対象年度・受験者数を確認してください。
介護福祉士国家試験は筆記試験で実施されます。学校によって対策授業や模擬試験の回数が異なるため、合格率だけでなく、苦手科目を補う支援があるかも比較材料になります。
国家試験対策で確認したいこと
- 国家試験対策の授業が始まる時期
- 模擬試験や過去問題演習の実施状況
- 苦手科目について個別に相談できるか
- 合格率の対象年度・受験者数・集計対象
例えば、心理・福祉・ビジネス名古屋専門学校は、2025年度の取り組みとして1年次後期からの対策授業や外部模擬試験の実施を公表しています。
合格率を見るときは、全卒業生を対象とした数値なのか、国家試験を受けた学生のみの数値なのかも確かめてください。対象者や年度が違う数値をそのまま比較しても、学校の支援体制の差は判断できません。
学校ごとの合格実績は、厚生労働省「第38回介護福祉士国家試験合格発表について」にある養成施設等別の資料も参考になります。
出典:心理・福祉・ビジネス名古屋専門学校「介護福祉学科」/社会福祉振興・試験センター「第39回介護福祉士国家試験」
介護福祉士を目指せる専門学校は実習内容や実習の質で選ぼう
介護福祉士を目指せる専門学校は、希望する学科が介護福祉士養成施設に指定されていることを確かめたうえで、実習内容や国家試験対策を比較して選びましょう。
指定養成施設であっても、実習先の種類や指導体制、就職支援の内容には違いがあります。希望する介護分野で経験を積めるか、卒業後の進路を相談できるかも判断材料になります。
専門学校を選ぶ際のチェックポイント
- 希望する学科が指定養成施設に該当するか
- 実習先・国家試験対策が希望に合っているか
- 入学年度の学費総額や就職支援を確認できるか
気になる学校が見つかったら、最新の募集要項を確認し、学校説明会などで実習内容や費用を質問してみてください。
通学や学費の条件が合わない場合は、別の指定養成施設に加え、働きながら受験資格を得る実務経験ルートも選択肢になります。