ピルは飲まない方がいい?やめた方がいい人・飲んだ方がいい人・判断基準を解説

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血栓症の既往がある方、35歳以上で喫煙している方、高血圧や前兆を伴う片頭痛がある方、妊娠中または妊娠の可能性がある方は、ピルの服用を避けた方がよい場合があります。

ただし、誰もが一律に飲まない方がいい薬ではありません。避妊、生理痛やPMSの軽減、月経周期の調整などを目的に処方される場合もあり、服用できるかどうかは年齢、喫煙習慣、血圧、持病、服用中の薬、妊娠の可能性などによって変わります。

注意
血栓症のリスクが高い方や特定の持病がある方は、服用を避けた方がよい場合があります。不安がある場合は、自己判断で始めたり中止したりせず、問診時に喫煙状況・既往歴・服用中の薬・妊娠の可能性を医師に伝えましょう。(参照:日本産科婦人科学会産婦人科診療ガイドラインー婦人科外来編2023」)

副作用や体調不良がある場合も、自己判断で続ける・やめる・再開するのではなく、医師に相談して判断することが大切です。特に、激しい頭痛、胸の痛み、息苦しさ、片脚の痛みや腫れ、視野の異常などがある場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。

この記事では、服用を避けた方がよいケースや医師に相談しながら慎重に判断すべきケース、服用中にやめた方がいい症状を整理したうえで、ピルを飲むメリット・デメリット、飲みたくない場合の代替手段、オンライン診療で相談できるケースまで解説します。

読み終えるころには、自分がピルの服用を避けるべき状態に当てはまるか、医師に何を伝えればよいか、続ける・やめる・別の方法を検討する際に次に取るべき行動まで整理できます。

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運営会社・編集部について

この記事の確認体制

本記事は、一般社団法人賢寿医療が運営するON-CLINICの編集部が、公式サイト・提携医療機関情報・料金表・各種公表情報を確認し、AGA治療に関する料金、キャンペーン条件、治療内容、自由診療の注意点を整理したものです。

確認日:2026年07月01日
運営:ON-CLINIC
編集:オンクリコラム編集部
医療情報確認:医師または医療専門家
参照:公式サイト/提携医療機関情報/料金表/各種公表情報

住所:〒1160014東京都荒川区東日暮里5丁目48-2 第一ビル7階
法人番号:3011505002626

Contents
  1. ピルは飲まない方がいいのか
  2. ピルを飲まない方がいいケース
  3. ピルをやめた方がいいサイン
  4. ピルをやめてよかったと感じるケース
  5. ピルをやめて後悔するケース
  6. ピルを飲み続けるリスク
  7. ピルを飲んだ方がいいケース
  8. ピルをやめた後の体の変化
  9. ピルを飲まない場合の代替手段
  10. ピルをやめるときの注意点
  11. ピルを飲まない方がいいかは体質と目的で判断する

ピルは飲まない方がいいのか

ピルは、一律に飲まない方がいい薬ではありません。

体質や持病、年齢、喫煙状況、片頭痛の有無などによっては、服用しない方がよいと判断される場合があります。とくに低用量ピルに含まれるエストロゲンは血栓症リスクに関係するため、喫煙習慣や持病、血栓症の既往歴などに不安がある方は、服用前に医師へ相談し、自分が安全に服用できるか確認しましょう。

服用できない条件があるからといって、ピルそのものを避けるべき薬と考える必要はありません。避妊だけでなく、月経困難症や子宮内膜症、月経前症候群(PMS)などの症状改善を目的に処方されることもあります。

「ピルは飲まない方がいい」と一括りに考えるのではなく、自分が服用を避けるべき条件に当てはまるか、服用するメリットがあるかを医師に確認しましょう。

服用前に医師へ確認することは、ピルを安全に使えるかを判断するだけでなく、中止や再開のタイミングを誤らないためにも重要です。自己判断で飲み始めたり、不安だけで急にやめたりすると、避妊効果が不安定になったり、本来抑えたかった症状が再発したりする可能性があります。

ここでは、「ピルは飲まない方がいいのか」について、服用に注意が必要なケースや、服用を検討できるケース、自己判断で中止するリスクまで解説します。

ピルの効果と仕組み

一律に飲まない方がいい薬ではない

決して「誰にとっても危険で飲まない方がいい薬」ではありません。

むしろ、医師の管理のもとで服用すれば、避妊効果や月経に関連する症状の改善などが期待でき、女性の健康と生活の質を支える選択肢になる薬です。

SNSやインターネット上の口コミでは、血栓症などの副作用があることや将来の妊娠に影響するといった不安をあおるような情報があります。たしかに副作用の可能性はあり、血栓症リスクについても確認が必要です。

一方で、血栓症リスクは「服用するすべての方が高確率で発症する」という意味ではありません。ピルを服用していない女性、服用している女性、妊娠中、出産後では血栓症のリスクが異なり、医師は年齢・喫煙・持病・片頭痛の有無などを確認したうえで処方可否を判断します。


血栓症になるリスク
血栓症になるリスク(年間1万人あたり)
ピルを飲んでいない女性 年間1万人あたり1〜5人
ピルを飲んでいる女性 年間1万人あたり3〜9人
妊娠中の女性 年間1万人あたり5〜20人
出産後12週間以内の産婦 年間1万人あたり40〜65人

参照:スマルナPILL FACTBOOK

血栓症のリスクは、ピルの種類だけでなく、喫煙習慣、BMI、年齢、血栓症の既往歴、片頭痛のタイプなどにも左右されます。そのため、インターネット上の口コミだけで「飲まない方がいい」「飲んでも問題ない」と判断するのは避けましょう。

将来の不妊につながるという根拠はなく、服用中止後には排卵や月経周期が回復するとされています。

長期間(特に結婚前)のOC(経口避妊薬)の使用により、卵巣機能が低下することもない。実際に、OC服用を中止すれば、通常は1ヶ月以内に排卵が起こり、月経周期は速やかに回復する。

参照:低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン

ピルは一律に「服用した方がよい」「飲まない方がいい」と決められる薬ではありません。

ポイント
処方時は、「服用を避けるべき条件」に当てはまっていないか、服用目的に対してメリットがリスクを上回るかなどを確認したうえで、医師が処方可否を判断します。

医師の判断のもとで指示に従って服用することが、副作用のリスクを抑えながら、ピルを服用するメリットを得ることにつながります。不安がある場合は、服用前の診察で持病・喫煙・片頭痛・服用中の薬を正確に伝えましょう。

服用可否は体質や目的によって分かれる

服用できるかどうかは、体質や生活習慣、服用する目的によって変わります。

ピルは万人向けのサプリメントではなく、メリットがリスクを上回る場合に検討される医薬品です。

たとえば、血栓症の既往歴がある方や、35歳以上で1日15本以上喫煙する方、前兆を伴う片頭痛がある方などは、服用を避けるべき場合があります。一方で、強い生理痛や月経困難症、子宮内膜症、避妊などを目的とする方では、医師の管理のもとで服用するメリットが大きい場合があります。

自分が飲まない方がいいのか、医師の管理下で服用を検討できるのかは、以下の判断基準をもとに確認してください。


ピル服用可否セルフチェック表
ピル服用可否セルフチェック表
服用を避けるべき場合があるケース ・35歳以上で1日15本以上喫煙している
・血栓症の既往歴がある
・前兆を伴う片頭痛がある
・重症高血圧がある など
慎重な判断が必要なケース ・40歳以上
・肥満(BMI30以上)
・軽度の高血圧がある
・乳がんの家族歴がある など
服用するメリットが大きい場合があるケース ・月経困難症(強い生理痛)や子宮内膜症などの治療を目的としている
・確実な避妊を望んでいる
・PMSや月経周期に伴う不調を相談したい など

参照:日本産科婦人科学会「産婦人科診療ガイドラインー婦人科外来編2023」

注意
服用可否を分ける大きなポイントは、血栓症リスクや持病、喫煙状況、片頭痛のタイプなどです。

ピルに含まれるエストロゲンには血液を固まりやすくする性質があるため、すでに血栓症のリスクが高い方では服用が推奨されない場合があります。

「飲まない方がいいケース」に当てはまらなくても、服用中の薬や既往歴によっては慎重な判断が必要です。問診で情報を正確に伝えないと、リスクを見落としたまま処方される可能性があるため、診察時には以下の内容を整理しておきましょう。

診察時に伝えること 確認される理由
喫煙本数・年齢 血栓症や心血管系リスクの確認に関係するため
片頭痛の有無 前兆を伴う片頭痛ではピルを避けるべき場合があるため
持病・既往歴 高血圧、血栓症、肝疾患、乳がんなどの確認が必要なため
服用中の薬 併用に注意が必要な薬がある場合があるため
服用目的 避妊、月経困難症、PMS、子宮内膜症など、目的により適した治療が異なるため

「ピルを服用しようか迷っている」「自分は飲まない方がいいケースに当てはまるのではないか」と感じる方は、医師の診察を受けて安全に服用できるかを確認してください。

不安を感じても自己判断でやめるのは避ける

服用中に不安を感じても、自分の判断だけで中止するのは避けてください。

注意
ホルモンバランスに関わる薬のため、突然中止すると、避妊効果が不安定になったり、本来防ぎたかった症状が再発したりする恐れがあります。

自己判断でピルを中止するリスク

自己判断でピルを中止するリスク

  • 服用で抑えていた症状が再び出る
  • 予期せぬ妊娠のリスクが高まる
  • 不正出血が起きたり、体調が不安定になったりする
  • 中止や再開のタイミングを誤り、服用管理が難しくなる

服用をやめたいと思った時には、必ず医師に相談して、指示に従ってピルの服用を中止してください。避妊目的で服用している場合は、中止後の避妊方法についても事前に確認しておく必要があります。

体に合わないと感じる場合は、医師に相談して種類を変更することで症状が改善される場合があります。吐き気、頭痛、不正出血、むくみなどが気になる場合でも、自己判断で中止する前に、症状の程度や続いている期間を医師に伝えましょう。

不安な状況 自己判断で避けたい行動 相談時に確認したいこと
副作用がつらい すぐに中止する、飲む量を減らす 薬の種類変更や飲む時間の調整が可能か
妊娠を希望し始めた タイミングを確認せず中止する 中止時期や妊活開始の目安
飲み忘れが続いた まとめて飲む、自己流で再開する 再開方法や追加の避妊が必要か
血栓症が不安 口コミだけで判断する 自分のリスクや注意すべき症状

ピルは、服用を検討すべきか、飲まない方がいいかを自分だけで判断する薬ではありません。服用前・服用中・中止を検討するときのいずれも、医師に相談しながら判断することが大切です。

ピルを飲まない方がいいケース

ピルを飲まない方がいい人チェック表

服用によるリスクがメリットを上回る場合は、ピルの服用を避けた方がよいと判断されることがあります。

医師の管理のもとで服用される薬ですが、特定の持病や生活習慣がある方では、血栓症などの副作用リスクに注意が必要です。

該当する項目があるからといって、必ずピルを服用できないと決まるわけではありません。服用できるかどうかは、年齢・喫煙状況・持病・服用中の薬・治療目的などをもとに医師が判断します。

ここでは、ピルの服用を避けた方がよいケースや、慎重な判断が必要なケースについて解説します。

血栓症リスクが高いケース

服用時に注意したい副作用の一つが血栓症であり、もともと血栓症のリスク因子がある方は、服用前に医師へ相談することが大切です。

低用量ピルに含まれるエストロゲンには血液を固まりやすくする作用があるため、血栓症リスクが高い状態で服用すると、リスクが高まる可能性があります。


血栓症の主なリスク因子

血栓症の主なリスク因子

  • 肥満
  • 妊娠・産後
  • 加齢
  • 喫煙
  • 心肺疾患(うっ血性心不全など)
  • がん
  • 各種手術
  • 長期間の安静

注意
血栓症は早期に適切な治療を行うことが重要ですが、重症化すると脳梗塞や心筋梗塞など、命に関わる病気につながる可能性があります。

「血栓症が怖いから」と、必要以上にピルの服用を恐れる必要はありません。

実際に、ピルの服用による血栓症の発症頻度は年間1万人あたり3〜9人とされており、妊娠中や産後の女性と比較すると低い傾向があります。

自分に血栓症リスクがあるかどうかは、自己判断だけでは分かりにくい場合があります。血栓症の既往歴、喫煙習慣、BMI、持病、家族歴などに不安がある方は、診察時に医師へ伝えたうえで、ピルを服用できるか確認しましょう。

35歳以上で喫煙習慣があるケース

「35歳以上」かつ「1日15本以上の喫煙」という条件に当てはまる方は、低用量ピルの服用を避けるべきと判断される場合があります。

注意
加齢や喫煙によって血管への負担が大きくなっている状態で服用すると、血栓症や心血管系のリスクが高まる可能性があります。

加齢によって血管の柔軟性が低下している状態に、タバコに含まれる成分の影響が加わると、血管の収縮や動脈硬化が進みやすくなります。さらに、低用量ピルには血液を固まりやすくする作用があるため、35歳以上で喫煙している方は服用前に医師へ相談しましょう。

服用している方の中でも、35歳以上で1日に15本以上タバコを吸う方は、34歳以下の方に比べて、心筋梗塞による死亡率が大きく上昇することがわかっています。(参照:厚生労働省経口避妊薬(OC)の安全性についてのとりまとめ」)

35歳以上で喫煙している方がピルを服用したい場合は、まず禁煙を検討し、医師に現在の喫煙本数や喫煙歴を正確に伝えましょう。

「どうしてもタバコがやめられない」という方は、自己判断で低用量ピルを服用せず、医師に相談したうえで、エストロゲンを含まない薬や低用量ピル以外の方法も含めて検討してください。


年齢・喫煙の有無とピル服用の可否
35歳未満 35歳以上
非喫煙者 服用可能と判断される場合がある 服用可能と判断される場合がある
1日15本未満 リスクより利益が上回る場合がある リスクが利益を上回る場合がある
1日15本以上 リスクより利益が上回る場合がある 容認できない健康上のリスクがあると判断される場合がある

高血圧や糖尿病などの持病があるケース

高血圧や糖尿病などの持病がある方は、病状の重さやコントロール状況によって、ピルを服用できるかどうかの判断が変わります。

含まれる女性ホルモンは、血圧や糖代謝に影響を与える可能性があります。そのため、持病の種類や重症度によっては、血管障害や内臓への負担に注意が必要です。(参照:日本産科婦人科学会「低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン(改訂版)」)

ポイント
一方で、高血圧や糖尿病などの持病があるからといって、必ずしもピルが服用できないわけではありません。

持病がある場合は自己判断で服用を開始せず、必ず主治医や産婦人科医に相談し、リスクとメリットを確認したうえで判断しましょう。


持病がある方のチェック項目
服用を控えるべきケース 相談のうえ服用を検討できるケース
高血圧 収縮期160mmHg、拡張期100mmHgを超える 軽度の血圧上昇で管理が良好
糖尿病 腎症、網膜症、神経障害または他の血管疾患がある、または糖尿病の罹病期間が20年を超える 合併症がなく、血糖値が安定している
肝疾患 重症の肝硬変、肝腫瘍 軽症で代償性の肝疾患

乳がんなどホルモン関連疾患の既往があるケース

乳がんなどのホルモン依存性悪性腫瘍にかかっている方は、ピルの服用を避けるべきと判断される場合があります。

含まれているエストロゲンには、特定の腫瘍細胞の増殖に影響する可能性があるため、病状や再発リスクを踏まえた慎重な判断が必要です。

疾患の状態によって体に与える影響は異なるため、過去に乳がんなどのホルモン関連疾患を指摘されたことがある方は、必ず医師に相談してください。


乳がんの既往がある方のピルの服用
乳がんの既往がある方のピルの服用
現在乳がんがある場合 容認できない健康上のリスクがあると判断される場合がある
乳がんの既往歴があり、3年間再発がない場合 利益を上回るリスクがあると判断される場合がある
診断未確定の乳房腫瘤がある場合 リスクを上回る利益があると判断される場合がある
良性の乳房疾患または乳がんの家族歴がある場合 使用制限なしと判断される場合がある

ポイント
ホルモン関連疾患の既往がある場合、無条件でピルを飲めないわけではありませんが、現在の病状を踏まえた医師の判断が必要です。

まずは主治医に「ピルの服用を検討している」ことを伝え、現在の病状に基づいて服用リスクを確認しましょう。

妊娠中・授乳中・産後すぐのケース

妊娠中、授乳中、および産後すぐの方は、ピルの服用を避けるべきと判断される場合があります。

妊娠中、授乳中、および産後すぐは血栓症のリスクが高まりやすい時期です。

加えて、含まれる女性ホルモンが母乳の量や質、胎児・乳児の発育に影響を及ぼす可能性もあります。産後の時期や授乳の有無によって服用可否が変わるため、自己判断で再開せず、医師に相談してください。


妊娠中、授乳中、および産後すぐのピルの服用について
妊娠中、授乳中、および産後すぐのピルの服用について
妊娠中 服用を避けるべきと判断される場合がある
産後(授乳あり) 服用を避けるべきと判断される場合がある
産後(授乳なし) 産後4週間(または21日間)は服用を避けるべきと判断される場合がある

ポイント
妊娠中や産後・授乳期に避妊が必要な場合は、低用量ピル以外の避妊方法も含めて医師に相談しましょう。

エストロゲンを含まない薬であれば授乳中でも選択肢になる場合がありますが、産後の時期や体調によって判断が異なります。自己判断で服用せず、医師に相談したうえで検討しましょう。

ピルをやめた方がいいサイン

すぐ相談すべき症状チェックリスト

服用中に普段とは明らかに違う体調の異常が現れた場合は、続けてよいかを自己判断せず、医師へ相談することが大切です。

飲み始めの1〜3か月は、吐き気や頭痛、不正出血などの一時的な副作用が起こる場合があります。一方で、普段とは明らかに違う強い症状や、急に悪化する体調不良がある場合は、早めの受診が必要になることがあります。

特に血栓症が疑われる症状が出た場合は、自己判断で様子を見ず、速やかに医療機関を受診してください。

血栓症の症状 チェックリスト

ここでは、ピルの服用中に注意したい症状や、医師へ相談すべきサインについて解説します。

胸の痛みや息苦しさなど重い症状がある場合

服用中に激しい胸の痛みや突然の息苦しさを感じた場合は、血栓症が疑われる可能性があるため、速やかに医療機関を受診してください。

注意
激しい胸の痛みや突然の息苦しさは、血管が詰まり、肺や心臓に負担がかかっている可能性があります。

血栓が肺や心臓などに詰まっていることが考えられる主な症状
症状の種類 具体的な状態 疑われるリスク
呼吸の異常 ・急にゼーゼーする
・深く息が吸えない
肺塞栓症
胸の痛み ・刺すような痛み
・押しつぶされる感覚
心筋梗塞・肺塞栓症
血の混じった痰 ・咳とともに血が出る 肺の血管障害
ひどい腹痛 ・差し込むような強い痛み 腸間膜静脈血栓症など

特に、「安静にしていても息が苦しい」「押しつぶされるような胸の痛みがある」といった場合は、自己判断で様子を見るのは避けてください。

たとえば、肺の血管が血栓で詰まる肺塞栓が起きると、全身への酸素供給に影響し、重症化する恐れがあります。

突然の胸の痛みや息苦しさを感じた場合は、服用を続けてよいかを自分で判断せず、速やかに医療機関を受診しましょう。

激しい頭痛やめまいが続く場合

服用中に、これまでに経験したことがないほどの激しい頭痛や、立っていられないほどのめまいが現れた場合は、脳血管のトラブルが疑われる可能性があるため、速やかに受診してください。

注意
飲み始めにも頭痛などが見られる場合があるため、重大な症状かどうかを自己判断せず、症状の強さや続く期間を医師に相談することが大切です。

よくある軽い不調と受診・中止が必要な症状の違い
よくある軽い不調 受診が必要な主な症状
頭痛 市販の鎮痛剤で治まる、いつもの頭痛 突然の激痛、これまでにない強い痛み
めまい 立ちくらみ程度で、すぐに治まる ぐるぐる回る、まっすぐ歩けない、意識が遠のく
感覚異常 特になし 片側の手足のしびれ、力が入らない、舌がもつれる
継続期間 数時間〜数日で改善する 症状が強く、徐々に悪化する

血栓によって脳血管のトラブルが起きている場合は、頭痛以外にも、手足のしびれや動かしづらさ、舌のもつれ、しゃべりづらさなどが見られることがあります。

「これくらいなら我慢できる」と放置すると、症状が悪化する恐れがあります。

いつもと違う激しい頭痛やめまいが続く場合は、ピルの服用を続けるかどうかを自己判断せず、医療機関を受診しましょう。

吐き気や体調不良が日常生活に支障をきたす場合

服用中に「仕事や学校に行けない」「家事が手につかない」といった、日常生活に支障をきたすほどの吐き気や体調不良がある場合は、我慢せず医師に相談しましょう。

飲み始めて1〜3か月程度は、ホルモンバランスの変化に伴い、吐き気やだるさなどの副作用が起こる場合があります。

症状が強い場合や長引く場合は、無理に続ける必要はありません。ピルの種類を変更したり、服用時間を調整したりすることで、症状が軽くなる可能性もあるため、自己判断で中止する前に医師へ相談してください。


継続しやすい軽い副作用と相談したい副作用の例
症状 継続しやすい軽い副作用 相談したい副作用
吐き気 むかつきはあるが、食事は摂れる 吐いてしまう、食事が喉を通らない
だるさ いつもより少し眠い、疲れやすい 起き上がれない、一日中寝込んでしまう
気分の変化 少しイライラする、涙もろい 強い抑うつ感がある、日常生活に支障がある

服用に伴う軽い副作用は、2〜3か月ほどで落ち着く場合があります。

注意
3か月経っても副作用が改善しない場合や、日常生活に支障がある場合は、医師に相談してピルの変更や中止を検討しましょう。

血圧の上昇などの異常が見られる場合

服用中に血圧が高くなった場合は、続けてよいかを医師に相談する必要があります。

ピルに含まれるエストロゲンは血圧に影響する場合があり、高血圧を放置したまま服用を続けると、脳卒中などのリスクにつながる恐れがあります。

注意
血圧の上昇は自覚症状がないまま進行する場合もあるため、服用中は定期的に血圧を確認し、異常がある場合は処方元の医師へ相談してください。

血圧以外にも、血液検査で肝機能や血糖値などを定期的に確認しておくことで、症状がなく見逃しやすい異常に気付ける可能性があります。


症状がなく見逃しやすい異常
検査項目 異常のサイン 検討すべき対応
血圧 140/90mmHg以上への継続的な上昇 ・収縮期160mmHg以上または拡張期100mmHg以上:
速やかに医師へ相談する
・収縮期140〜159mmHgまたは拡張期90〜99mmHg:
医師への相談を検討する
脂質代謝 中性脂肪やコレステロールの上昇 食生活の見直しや、服用継続の可否を医師に相談する
肝機能 AST(GOT)やALT(GPT)の基準値を大きく上回る上昇 肝臓への負担を考慮し、服用継続の可否を医師に相談する
血糖値 耐糖能の低下や糖尿病の診断 糖尿病リスクを評価し、慎重に判断する

健診や通院時に血圧や血液検査の異常が見られた場合は、まず処方元の医師に相談するようにしましょう。

ピルをやめてよかったと感じるケース

やめてよかったと感じやすいケース

副作用が長く続いている方や、毎日の服用管理が負担になっている方は、ピルをやめることで体調や気持ちが楽になる場合があります。

避妊や月経トラブルの改善などに役立つ薬ですが、体質や服用目的によっては、副作用や服用管理の負担が大きく感じられることもあります。

一方で、自己判断で中止すると、避妊効果がなくなったり、生理痛やPMSなどの症状が再び強くなったりする可能性があります。やめたいと感じた場合は、まず医師に相談し、中止するメリットと継続するメリットを確認しましょう。

ここでは、ピルをやめてよかったと感じるケースを紹介します。

副作用(吐き気・頭痛)が改善した

やめてよかったと感じる理由として多いのが、吐き気や頭痛、むくみなどの副作用が落ち着いたケースです。

飲み始めに見られる吐き気や頭痛などの症状は、服用を中止することで改善する場合があります。

飲み始めの1〜3か月は副作用が出やすく、体が慣れるにつれて落ち着くこともあります。軽い症状だけで自己判断で中止するのではなく、症状の強さや続いている期間を医師に伝え、服用を続けるか、種類を変更するかを相談しましょう。


服用を中止することで改善が期待できる副作用

服用を中止することで改善が期待できる副作用

  • 吐き気や胃の不快感
  • 頭痛
  • むくみや体重の変化
  • 乳房の張りや痛み

注意
副作用を理由に中止する場合、体調が楽になる可能性がある一方で、避妊や生理痛の改善といった服用目的が達成できなくなる場合があります。

服用に伴う副作用は、2〜3か月ほどで改善する場合があります。(参照:メデリピルmederi fact book」)

生活に支障が出ない程度の副作用であれば、吐き気止めの使用や服用時間の調整などで対処できる場合があります。

生活に支障が出るほど副作用が強い場合や、3か月経っても改善しない場合は、医師に相談して中止やピルの種類変更を検討しましょう。

体調やメンタルが安定した

服用を中止することで、気分の落ち込みや慢性的なだるさなどが軽くなり、体調やメンタルが安定したと感じる方もいます。

ホルモンバランスが変化すると、体質によっては身体面やメンタル面の不調につながる場合があります。


ピル服用中に気になる身体面やメンタル面の不調
ピル服用中に気になる身体面やメンタル面の不調
身体面の主な不調 ・性欲の変化
・冷えやほてり、多汗
・疲れやすさ
メンタル面の主な不調 ・気分の落ち込み
・不安感や焦燥感
・集中力や意欲の低下

注意
一方で、PMS(月経前症候群)の改善を目的に服用している場合は、中止によって気分の落ち込みやイライラなどが再び強くなる可能性があります。

飲み始めてから気分や体調の変化を感じた場合は、体に合っていない可能性もあります。自己判断で中止する前に、医師に相談して種類の変更や服用方法の見直しを検討しましょう。

もともとPMSが強く、休薬期間に症状がつらくなる場合は、連続して服用するタイプのピルに切り替えられるかを医師に相談してください。

服用のストレスがなくなった

中止することで、「毎日決まった時間に服用しなければならない」という心理的な負担や、飲み忘れへの不安が軽くなる場合があります。

避妊や生理痛などの改善に役立つ一方で、効果を保つためには毎日の服用管理が必要です。

毎日飲むことへの義務感や、飲み忘れたときの不安が大きい方にとっては、服用そのものがストレスになることがあります。


ピルの服用に対する主なストレス

ピルの服用に対する主なストレス

  • 飲み忘れに対する不安
  • 毎日同じ時間に服用する管理の負担
  • 定期的な通院や薬代の負担

注意
一方で、ストレスを理由にやめると、避妊や月経トラブルの改善といった本来の目的が達成できなくなる場合があります。

避妊目的で服用管理がつらい場合は、IUS(子宮内避妊システム)など、毎日の服用が不要な避妊法への切り替えを医師に相談しましょう。

通院が負担になっている場合は、オンライン診療を利用することで、通院の負担を減らせる可能性があります。

薬を飲むこと自体がつらい場合は、自己判断で中止せず、医師に相談したうえで、ピルをやめるメリットと続けるメリット、ピル以外の代替手段を含めて見直しましょう。

ピルをやめて後悔するケース

ピルをやめて後悔するケース

ピルを飲まない方がいいと感じて中止しても、生理痛やPMS(月経前症候群)の症状が再び強くなったり、避妊への不安が増えたりして、後悔する場合があります。

「副作用がつらい」「飲み続けるのが不安」と感じる場合でも、中止によって解決する悩みと、やめた後に出てくる悩みは異なります。

ピルを飲まない方がいいか迷っている場合は、今の不調だけで判断するのではなく、中止後に生理痛・PMS・避妊管理がどう変わるかまで確認しておくことが大切です。

やめること自体が悪いわけではありませんが、服用を続ける負担と、中止後に起こる変化のどちらを優先すべきかは、服用目的や現在の体調によって変わります。

ここでは、ピルをやめて後悔するケースを紹介します。

生理痛やPMSが再び強くなった

服用をやめると、これまで抑えられていた生理痛やPMS(月経前症候群)の症状が再び現れ、以前よりつらく感じる場合があります。

低用量ピルには、排卵を抑え、子宮内膜が厚くなるのを抑えることで、痛みの原因に関係するプロスタグランジンの産生を減らす働きがあります。

ホルモンバランスの変動を抑えることで、月経前に起こるイライラや気分の落ち込み、体調不良などの症状を軽くする目的で処方されることもあります。

注意
生理痛やPMSの改善を目的に服用している場合、自己判断で中止すると、もともと悩んでいた症状が再び強くなる可能性があります。

服用前・服用中・中止後の症状変化シミュレーション
服用前 服用中 中止後
生理痛 強い 軽くなる場合がある 再び強くなる場合がある
PMS イライラや体調不良が起きやすい 軽くなる場合がある イライラや体調不良が再び出る場合がある

すべての方が中止後に症状の悪化を感じるわけではありません。副作用がなくなり、体調が楽になったと感じる方もいます。

子宮内膜症などの治療目的で服用している場合は、中止によって症状や病状に影響する可能性があります。自己判断で中止せず、必ず医師に相談してください。

副作用などでやむを得ず中止したい場合は、ピル以外の治療法や、別の種類へ変更できるかを医師に相談しましょう。

生理周期が不安定になった

ピルの服用中と中止後の生理周期のイメージ

服用をやめると、薬で整えられていた生理周期が乱れ、生理日の予測が難しくなる場合があります。

服用中は、薬のホルモン作用によって一定の周期で消退出血が起こります。

中止すると自分自身のホルモンによる周期に戻るため、一時的に生理が早まったり、数か月遅れたりすることがあります。

注意
服用前から生理不順があった方は、中止後に元の不規則な周期に戻る可能性があります。

やめた直後の1〜3か月の乱れは、体が本来のリズムに戻る過程で起こる一時的な変化である場合も多いです。(参照:スマルナPILL FACTBOOK」)

一方で、ピルを中止してから3か月以上生理がこない場合は、妊娠や続発性無月経などの可能性もあるため、放置せず婦人科を受診してください。

避妊の不安が増えた

服用を中止すると避妊効果がなくなるため、予期せぬ妊娠への不安が増える場合があります。

低用量ピルは、排卵を抑えたり、子宮頸管粘液を変化させて精子が子宮内へ入りにくくしたりすることで、避妊効果を発揮します。正しく服用できている場合は高い避妊効果が期待できますが、中止後は別の避妊方法を検討する必要があります。

注意
服用を中止すると排卵が再開するため、妊娠を希望しない場合は中止後の避妊方法を事前に考えておくことが大切です。(参照:厚生労働省経口避妊薬(OC)の安全性についてのとりまとめ」)

中止した後も避妊を希望する場合は、コンドームやIUS(子宮内避妊システム)など、別の避妊法を利用しましょう。


避妊法ごとの特徴と妊娠率
避妊法 特徴 理想的な使用での妊娠率 一般的な使用での妊娠率
ピル ・高い避妊効果が期待できる
・女性が主体で避妊しやすい
・月経に関する副効用が期待できる場合がある
・飲み忘れにより避妊効果が下がる
0.3% 7%
コンドーム ・薬局やコンビニエンスストアなどで入手しやすい
・避妊と同時に性感染症予防にも役立つ
・使用方法によって避妊効果に差が出やすい
2% 13%
IUS(子宮内避妊システム) ・一度装着すると、数年間避妊効果が期待できる
・飲み忘れの心配がない
・医師による装着や抜去が必要
・費用がかかる
0.1% 0.1%

参照:スマルナアフターピルファクトブック

今後しばらく妊娠を望まない場合は、IUSなど毎日の服用が不要な避妊法も含めて、医師に相談しながら自分に合う方法を検討してください。

ポイント
ピルを飲まない方がいいかどうかは、「やめたい理由」だけでなく、「やめた後に困ること」まで含めて判断する必要があります。副作用や服用の負担がつらい場合でも、自己判断で中止せず、医師に相談して代替案を確認しましょう。

ピルを飲み続けるリスク

飲み続ける主なリスクは、血栓症のリスクがゼロではないことや、副作用が長引く場合があること、体質に合わないまま服用を続けてしまうことです。

避妊効果や生理痛の緩和、PMS(月経前症候群)の改善など多くのメリットがある一方で、年齢・喫煙習慣・持病・血圧・体質によっては、継続に注意が必要な場合があります。

ピルを飲まない方がいいか迷っている場合は、「飲み続けるリスク」と「やめた場合に起こる変化」の両方を確認したうえで、医師と相談しながら判断することが大切です。

継続そのものが悪いわけではありません。避妊や月経困難症、子宮内膜症、PMSなどの治療目的がある場合は、飲み続けるメリットが大きいケースもあります。

服用を続ける場合は、目的や必要性を確認しないまま飲み続けるのではなく、定期的に診察や検査を受けながら、自分にとってメリットがリスクを上回っているかを確認しましょう。

ここでは、ピルを飲み続けるリスクについて解説します。


ピルを継続するメリットとリスク
ピルを継続するメリットとリスク
ピルを継続するメリット ・高い避妊効果が期待できる
・生理痛の緩和につながる場合がある
・経血量の減少が期待できる
・子宮内膜症の進行抑制や治療に使われる場合がある
・PMSによるイライラや気分の落ち込みの改善が期待できる
・生理日のコントロールに役立つ場合がある
ピルを継続するリスク ・血栓症のリスクがゼロではない
・吐き気や頭痛などの副作用が続く場合がある
・抑うつ感や意欲低下などが気になる場合がある
・毎日服用することが心理的な負担になる場合がある

血栓症のリスクはゼロではない

服用時に注意したい重い副作用の一つが、血栓症です。

血栓症の発症頻度は高くありませんが、服用中はリスクがゼロではないことを理解しておく必要があります。

ピルを飲んでいない女性の血栓症の発症頻度は年間1万人あたり1〜5人ですが、ピルを服用している女性では年間1万人あたり3〜9人と報告されています。

服用しているすべての方で血栓症が起こりやすいわけではありませんが、持病や生活習慣によっては注意が必要です。

特に、35歳以上で喫煙している方、BMIが高い方、高血圧や糖尿病などの持病がある方、前兆を伴う片頭痛がある方は、服用を続けてよいか医師に確認しましょう。


血栓症のリスクが高くなる条件

血栓症のリスクが高くなる条件

  • 加齢:40歳以上では慎重な判断が必要になる場合がある
  • 肥満:BMI30以上では慎重な判断が必要になる場合がある
  • 喫煙:35歳以上で1日15本以上喫煙している場合は禁忌に該当する場合がある
  • 高血圧:収縮期160mmHg、拡張期100mmHgを超える場合は禁忌に該当する場合がある
  • 糖尿病:血管障害がある場合や長期間続いている場合は禁忌に該当する場合がある
  • 前兆を伴う片頭痛:脳卒中リスクを考慮して禁忌に該当する場合がある
  • 手術:長期臥床が必要な手術の前後は服用中止が必要になる場合がある

参照:日本産科婦人科学会「産婦人科診療ガイドラインー婦人科外来編2011」

注意
服用中に年齢・喫煙習慣・血圧・体重・持病などの状況が変わった場合は、飲み続けてよいかを処方元の医師に確認しましょう。

服用している間は、定期的な血圧測定や血液検査を受けることが大切です。開始時は問題がなくても、年齢や生活習慣の変化によってリスクが変わる場合があるため、不安が出たら早めに医師へ相談してください。

副作用が継続する可能性がある

飲み始めに見られる吐き気や頭痛、不正出血などの副作用は、2〜3か月ほどで落ち着く場合があります。

体質や薬の種類によっては、副作用が長く続き、日常生活に支障をきたすこともあります。

日常生活に支障をきたすほどの副作用が続く場合は、自己判断で我慢し続けず、医師に相談して種類変更や中止を検討しましょう。

成分量や配合バランスが体質に合っていない場合、種類を変えることで症状が軽くなる可能性があります。飲む時間を変える、吐き気止めを使うなどの対策で続けやすくなる場合もあります。


経過観察できる場合がある副作用と見直したい副作用
経過観察できる場合がある副作用と見直したい副作用
経過観察できる場合がある副作用 ・飲み始めの時期に見られる軽い吐き気や頭痛
・生活に支障をきたさない程度の不正出血
・数日〜数週間で軽くなっている症状
・医師から経過観察でよいと説明されている症状
継続を見直したい副作用 ・激しい頭痛、胸の痛み、息切れ、片脚の痛みや腫れなど血栓症が疑われる症状
・副作用が3か月以上続いている場合
・仕事や学校、家事に支障が出るほどつらい症状
・抑うつ感や強い不安感などメンタル面の不調が続く場合

副作用があっても生活に影響が少なく、症状が軽くなっている場合は、医師の指示のもとで継続できることもあります。つらい不調を我慢し続ける必要はありません。

注意
不調を抱えたまま飲み続けると、ピルを服用する本来の目的である生活の質の改善につながりにくくなる場合があります。

ピルを飲まない方がいいのか、種類を変えて続けた方がいいのかは、症状の種類や強さによって変わります。副作用がつらい場合は、自己判断で中止する前に医師へ相談しましょう。

体質に合わないまま服用を続けるリスク

体質に合わないまま飲み続けると、服用するメリットよりも負担の方が大きくなり、結果的に生活の質が下がる場合があります。

ピルは、避妊や月経に関する悩みを軽くし、女性の健康と生活を支える目的で使われる薬です。

体に合わない症状が続いているのに無理に飲み続けると、吐き気や頭痛、気分の落ち込み、服用へのストレスなどが負担になりやすくなります。

注意
体調不良が3か月以上続く場合や、生活に支障が出ている場合は、我慢して飲み続けず、医師に相談して服用方法を見直しましょう。

体質に合わないまま薬を服用し続けると、慢性的なストレスになり、日常生活や仕事のパフォーマンスに影響する場合があります。

服用開始から3か月以内で、日常生活に支障がない程度の副作用であれば、医師の指示に従いながら経過を見る場合があります。必要に応じて、吐き気止めの使用や服用時間の調整を相談しましょう。

3か月経っても改善しない場合や、症状が強くなっている場合は、同じピルを続けるよりも、種類の変更や中止を検討した方がよい場合があります。

ポイント
ピルを飲み続けるべきか、飲まない方がいいのかは、「副作用があるかどうか」だけで判断できません。服用目的、症状の強さ、血栓症リスク、代替治療の有無を医師と確認し、自分に合う方法を選びましょう。

種類を変更することで、副作用が改善するケースもあります。やめるか続けるかで迷う場合は、自己判断で中止せず、現在の症状・服用期間・服用目的を整理したうえで医師に相談してください。

ピルを飲んだ方がいいケース

ピルは一律に飲まない方がいい薬ではなく、より確実に避妊したい方や、生理痛・PMS(月経前症候群)などに悩んでいる方にとって、生活の質を改善する選択肢になる場合があります。

副作用や血栓症などのリスクがあるため、持病や喫煙習慣、年齢によっては服用を避けた方がよい場合があります。一方で、服用によるメリットがリスクを上回ると医師が判断した場合は、避妊や月経トラブルの改善を目的に処方されることがあります。

「ピルは飲まない方がいい」と決めつけるのではなく、自分の体質や服用目的に合っているかを医師に確認することが大切です。

ここでは、ピルの服用を検討できるケースを紹介します。

より確実に避妊したいケース

正しく服用することで高い避妊効果が期待できるため、自分でも避妊を管理したい方に向いています。

日本で避妊法として使用されることが多いコンドームは、破損や脱落、装着のタイミングなどによって避妊効果に差が出る場合があります。

ポイント
一方、ピルは毎日正しく服用できれば、高い避妊効果が期待できる方法です。

毎日決まった時間に服用する習慣をつけられる方であれば、避妊方法の選択肢になります。

飲み忘れが多い場合は避妊効果が下がる可能性があります。毎日の服用管理に不安がある方は、IUS(子宮内避妊システム)など、飲み忘れの心配がない避妊法も含めて医師に相談しましょう。

避妊法ごとの妊娠率や特徴の違いはこちらで確認できます。

生理痛やPMSに悩んでいるケース

生理痛(月経困難症)やPMSによって、仕事・家事・学業などの日常生活に支障が出ている方は、服用によって症状が軽くなる場合があります。

生理痛は、プロスタグランジンという物質によって子宮が過剰に収縮することで起こります。

服用すると子宮内膜が厚くなりにくくなるため、プロスタグランジンの産生が抑えられ、生理痛の軽減につながる場合があります。

排卵を抑えることでホルモン変動が小さくなり、PMSによるイライラや気分の落ち込みが軽くなることもあります。


生理痛やPMSなど生理に関する悩みとピル服用による効果
症状 よくある悩み ピル服用によって期待できる変化
生理痛 ・下腹部が締め付けられるように痛い
・腰痛や頭痛がひどい
・痛みが軽くなる場合がある
・鎮痛薬の使用頻度が減る場合がある
経血量 ・経血量が多い
・レバー状の塊が出る
・貧血が起きやすい
・経血量が減る場合がある
・ナプキンの交換頻度が減る場合がある
・貧血の改善につながる場合がある
メンタルの波 ・生理前のイライラや気分の落ち込みがつらい ・気分の波が軽くなる場合がある
・PMSの症状が和らぐ場合がある
生活の制限 ・生理中に寝込んでしまう
・仕事や学業に集中できない
・生理中の体調不良が軽くなる場合がある
・予定を立てやすくなる場合がある

生理痛のために鎮痛薬が手放せない方や、鎮痛薬を飲んでも効きにくい方は、治療目的で使われるLEP(低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬)の服用を検討できる場合があります。

LEPは、月経困難症や子宮内膜症などの治療目的で処方される場合、保険適用になることがあります。費用面も含めて、婦人科で相談してみましょう。

生理前のイライラや気分の落ち込みが強い方、仕事や人間関係に影響が出ている方も、我慢せず婦人科で相談することが大切です。

ポイント
生理痛や生理前の気分の変動は、我慢し続けるものではありません。生活に支障がある場合は、ピルを含めた治療選択肢を医師に相談しましょう。

「ピルは飲まない方がいいのでは」と不安がある場合でも、月経困難症やPMSの症状が強い方では、服用によるメリットが大きい場合があります。自分に合う治療法を確認するためにも、まずは婦人科で相談してください。

生理周期を安定させたいケース

ピルの服用前と服用中の生理周期のイメージ

生理周期が不規則で予定を立てにくい方は、ピルの服用によって周期を整えやすくなる場合があります。

生理日を予測しやすくなると、旅行や仕事、大切なイベントに合わせてスケジュールを立てやすくなり、生活上の負担を軽くできる可能性があります。

服用中は実薬を飲んでいる期間に排卵が抑えられ、休薬期間に消退出血が起こります。そのため、服用方法に沿って続けることで、出血のタイミングを把握しやすくなります。

医師の指示のもとでピルを利用することで、特定の日に生理を避けるために生理を早めたり遅らせたりできる場合があります。

注意
ただし、月経不順の背景には、多嚢胞性卵巣症候群や甲状腺機能の異常などの疾患が隠れている可能性があります。

生理周期を整えたい場合は、ピルで調整するだけでなく、月経不順の原因を確認するために婦人科で検査を受けることも大切です。

生理周期の乱れが続いている方や、急に周期が大きく変わった方は、自己判断で始める前に婦人科で相談しましょう。原因を確認したうえで、自分に合う治療法としてピルを検討することが大切です。

ピルをやめた後の体の変化

ピルをやめた後は、ホルモンの働きが本来のリズムに戻り、生理周期・生理痛・PMS(月経前症候群)・体調に変化が出る場合があります。

飲まない方がいいか迷っている場合は、服用中の副作用や不安だけでなく、やめた後に生理痛やPMS、避妊管理がどう変わるかも確認しておくことが大切です。

中止後に体調が急激に悪化するケースばかりではありませんが、服用前にあった生理痛やPMSの症状が再び出てくる可能性があります。もともと生理周期が不安定だった方は、ピル中止後に元の不規則な周期へ戻る場合もあります。

ここでは、ピルをやめた後の体の変化を解説します。


ピル服用中止後に変わりやすいこと・個人差が大きいこと
ピル服用中止後に変わりやすいこと・個人差が大きいこと
変わりやすいこと ・生理周期
・生理痛やPMSの再発
・経血量
・服用中にあった吐き気や頭痛、むくみなどの軽減
個人差が大きいこと ・体重の増減
・バストサイズ
・気分や体調の変化
・生理周期が安定するまでの期間

ホルモンバランスが本来のリズムに戻る

ピル服用中と服用中止後のホルモンの状態

服用を中止すると、外から補っていたホルモンの影響がなくなり、排卵や生理が本来のリズムへ戻っていきます。

ピルを飲んでいたからといって、将来の妊娠に悪影響を及ぼすわけではありません。

中止後は、多くの場合、数か月以内に自然な排卵や生理が再開するとされています。


ピル服用中止後の月経再来率

ピル服用中止後の月経再来率

  • 〜60日:73.7%〜100%
  • 〜90日:92.4%〜100%

参照:厚生労働省経口避妊薬(OC)の安全性についてのとりまとめ

服用前から生理周期が安定していた方は、中止後も比較的早く自然な生理に戻る場合があります。

もともと生理不順があった方は、やめた後に元の不規則な周期へ戻ることがあります。服用中は周期が整って見えていても、月経不順そのものの原因が解決しているとは限らないためです。

注意
中止してから3か月以上生理がこない場合は、妊娠や続発性無月経などの可能性もあるため、婦人科で相談しましょう。

生理周期や体調が変化する

服用をやめると、数か月以内に服用前の生理周期や体調に戻っていくことが多いですが、一時的に周期が乱れたり、生理痛が強く感じられたりする場合があります。

やめた後に起こる生理周期や体調の変化は、ホルモンの働きが再び動き出す過程で起こる場合があります。そのため、すぐに生理周期が整わなくても、1〜3か月ほどは様子を見るケースもあります。

ただし、服用中に生理痛やPMSが改善されていた方は、中止によって以前のつらい症状が再び出てくる可能性があります。

注意
日常生活に支障が出るほど生理痛がある場合や、経血にレバー状の大きな塊が混じる場合は、子宮内膜症などの疾患が隠れている可能性もあります。

ピルを飲まない方がいいか迷って中止した後に、生理周期の乱れや体調不良がつらい場合は、自己判断で放置せず医師に相談してください。


ピル服用中止後の生理周期・体調変化の例
ピル服用中止後の生理周期・体調変化の例
生理周期 ・不安定になる場合がある
・周期が早まったり、遅れたりする場合がある
生理痛 ・ピル服用前の痛みが再び出る場合がある
・人によっては強くなったと感じる場合がある
経血量 ・元の量に戻る場合がある
・ピル服用前より多く感じる場合がある
PMS ・イライラや気分の落ち込みが再び出る場合がある
・眠気やだるさなどが気になる場合がある

胸や体型の変化は個人差がある

やめた後の胸や体型の変化には個人差があり、むくみや胸の張りが軽くなる方もいれば、大きな変化を感じない方もいます。

ピルを飲むと太るという噂もありますが、医学的にはピルと体重増加との明確な因果関係は示されていません。(参照:スマルナPILL FACTBOOK」)

注意
ピルで太ったと感じる場合でも、実際には体重増加ではなく、むくみや胸の張りによって変化を感じている可能性があります。

胸の張りは、含まれるホルモンの影響によって起こることがある副作用の一つです。

服用中にむくみや胸の張りが強かった方は、中止することで見た目や体がすっきりしたと感じる場合があります。

服用中も体型や胸に大きな変化がなかった方は、中止後も体型や胸のサイズに大きな変化を感じにくい可能性があります。


ピル中止後の胸や体型の変化
ピル中止後の胸や体型の変化
起こりやすい変化 ・むくみが軽くなる場合がある
・胸の張りが落ち着く場合がある
個人差がある変化 ・バストサイズの変化
・体重の増減
・見た目のすっきり感

やめた後の体の変化は、服用目的やもともとの体質によって変わります。ピルを飲まない方がいいか迷っている場合は、中止後に起こりやすい変化を理解したうえで、医師に相談しながら判断しましょう。

ピルを飲まない場合の代替手段

ピルを飲まない場合でも、避妊や生理痛・PMS(月経前症候群)などの悩みに対して、別の方法を検討できます。

「ピルは飲まない方がいいのでは」と不安がある方や、体質・持病・喫煙習慣などの理由で服用が難しい方は、ピル以外の避妊法や治療法を医師に相談することが大切です。

避妊や生理に関する悩みへの代替手段を考えないまま中止すると、望まない妊娠のリスクが高まったり、生理痛やPMSなどの症状が再び強くなったりする可能性があります。

ここでは、ピルを飲まない場合に検討できる代替手段について解説します。

コンドームなど他の避妊方法を使う

避妊目的で服用していた方がやめる場合は、中止後すぐに別の避妊方法を使う必要があります。

注意
ピルをやめた後は排卵が再開する可能性があるため、妊娠を希望しない場合は、コンドームやIUSなど別の避妊法を事前に準備しておきましょう。

主な避妊法の妊娠率や特徴
理想的な使用での妊娠率 一般的な使用での妊娠率 避妊の主体 性感染症予防の可否 特徴
ピル 0.3% 7% 女性主体 なし ・高い避妊効果が期待できる
・生理痛やPMSの改善が期待できる場合がある
・飲み忘れにより避妊効果が下がる
・吐き気や頭痛などの副作用が出る場合がある
コンドーム 2% 13% 男性主体 あり ・薬局やコンビニエンスストアなどで入手しやすい
・避妊と同時に性感染症予防にも役立つ
・破損や誤った使用により避妊効果が下がる場合がある
IUS(子宮内避妊システム) 0.1% 0.1% 女性主体 なし ・一度装着すると長期間の避妊効果が期待できる
・飲み忘れの心配がない
・導入初期に不正出血が続く場合がある
・医師による装着や抜去が必要

参照:スマルナアフターピルファクトブック

手軽に避妊したい場合は、ドラッグストアなどで購入しやすいコンドームが選択肢になります。性感染症予防にも役立つため、ピルを飲まない場合でも必要に応じて使用を検討しましょう。

より高い避妊効果を長期間求める場合は、IUS(子宮内避妊システム)も選択肢になります。IUSは一度装着すると数年間の避妊効果が期待でき、毎日服用する必要がないため、飲み忘れが不安な方にも向いています。

避妊方法ごとにメリット・デメリットがあるため、自分の目的や生活スタイルに合う方法を婦人科で相談してください。

ミニピルなど別の選択肢を検討する

低用量ピルが体質に合わない場合でも、ミニピルや超低用量ピルなど、別の薬を検討できる場合があります。

ミニピルはエストロゲンを含まないため、エストロゲンによる血栓症リスクが気になる方や、低用量ピルが使いにくい方で選択肢になることがあります。ただし、日本では避妊目的の薬として承認されていない点には注意が必要です。

超低用量ピルは低用量ピルよりエストロゲン量が少なく、月経困難症や子宮内膜症などの治療目的で処方されることがあります。副作用が気になる場合でも、薬の種類を変えることで続けやすくなる可能性があります。


低用量ピル・超低用量ピル・ミニピルの違い
低用量ピル 超低用量ピル ミニピル
含有するホルモン エストロゲン+黄体ホルモン エストロゲン+黄体ホルモン 黄体ホルモンのみ
エストロゲン量 0.03mg〜0.05mg 0.03mg未満 含まれていない
主な目的 避妊、生理痛やPMSの改善など 月経困難症、子宮内膜症などの治療 避妊や月経トラブルへの使用が検討される場合がある
血栓症リスク リスクはゼロではない 低用量ピルより低い傾向がある エストロゲンを含まないため低いとされる
主な副作用 吐き気、頭痛、乳房の張り、不正出血など 不正出血、吐き気、頭痛など 不正出血が起こりやすい
注意点 喫煙や持病によっては服用を避けるべき場合がある 治療目的で処方されることが多い 日本では避妊目的では未承認

注意
一方で、ミニピルや超低用量ピルにも副作用はあり、薬の種類や体質によっては不正出血が起こることがあります。

ミニピルや超低用量ピルも、誰にでも合う薬ではありません。ピルを飲まない方がいいか迷っている場合は、自己判断で中止するのではなく、現在の症状・持病・喫煙習慣・避妊の希望を医師に伝え、自分に合う選択肢を相談しましょう。

婦人科で別の治療方法を相談する

生理痛やPMSの改善を目的に服用していた場合、ピルを飲まない選択をしても、婦人科で別の治療方法を相談できます。

ポイント
ピル以外にも、鎮痛薬・漢方薬・IUS・黄体ホルモン製剤など、症状や目的に応じた選択肢があります。

やめることで、生理痛やPMSなどの症状が再び強くなる可能性があります。そのため、ピルを飲まない場合でも、症状を我慢するのではなく、婦人科で代替手段を相談することが大切です。

避妊目的で続けにくい場合は、IUS(子宮内避妊システム)やコンドームなど別の避妊方法を検討できます。生理痛で悩んでいる場合は、鎮痛薬や漢方薬、IUS、黄体ホルモン製剤などが選択肢になる場合があります。

「ピルを飲めないなら我慢するしかない」と考える必要はありません。合わない場合や服用できない条件がある場合でも、目的に応じて別の方法を選べる可能性があります。


ピルが服用できない場合の選択肢
ピルが服用できない場合の選択肢
避妊 ・IUS:高い避妊効果が期待でき、毎日の服用が不要
・コンドーム:手軽に使用でき、性感染症予防にも役立つ
・ミニピル:エストロゲンを含まないため、低用量ピルが使いにくい方で検討される場合がある
生理痛 ・鎮痛薬や鎮痙薬:痛みの原因に関わる物質を抑えたり、子宮の過剰な収縮を和らげたりする
・IUS:黄体ホルモンを子宮内に放出し、月経困難症の改善に使われる場合がある
・黄体ホルモン製剤:エストロゲンを含まないため、低用量ピルが使いにくい方で検討される場合がある
PMS ・漢方薬:体質や症状に応じて処方される場合がある
・精神症状への薬物療法:イライラや気分の落ち込みが強い場合に検討されることがある
・生活習慣の見直し:睡眠、食事、運動などを整えることで症状の軽減につながる場合がある

ピルを飲まない方がいいかどうかは、体質や持病だけでなく、避妊・生理痛・PMSなど何を改善したいのかによっても判断が変わります。ピル以外の方法も含めて、自分に合う選択肢を医師に相談しましょう。

ピルをやめるときの注意点

ピルをやめる場合は、自己判断で急に中止せず、医師に相談したうえで中止のタイミングを決めることが大切です。

「ピルは飲まない方がいいのでは」と不安に感じても、シートの途中で急にやめると、不正出血が起きたり、避妊効果が不安定になったり、生理痛やPMS(月経前症候群)などの症状が再び強くなったりする可能性があります。

一度やめて再開する場合は、血栓症リスクや飲み始めの副作用について改めて確認が必要です。以前服用できていた場合でも、年齢・喫煙習慣・血圧・持病などの状況が変わっていると、再開時の判断が変わることがあります。

ここでは、ピルをやめるときの注意点を解説します。

シート途中に自己判断でやめない

服用を中止する場合は、原則として現在服用しているシートを飲み切ってからやめる流れになります。

シートの途中で自己判断により服用を中止すると、ホルモンの変化によって不正出血や消退出血が起こったり、避妊目的で服用している場合は妊娠リスクが高まったりする可能性があります。

現在服用しているシートを最後まで飲み切ったうえで中止すれば、出血のタイミングを把握しやすく、次の生理周期や避妊方法の切り替えについても整理しやすくなります。

注意
ただし、血栓症が疑われる症状や強い体調不良がある場合は、シートの途中であっても服用を続けず、速やかに医療機関を受診してください。

すぐ中止・相談が必要なケースと自己判断で中止しないケース
すぐ中止・相談が必要なケースと自己判断で中止しないケース
すぐ中止・相談が必要なケース ACHES(エイクス)と呼ばれる血栓症が疑われる症状
Abdominal pain:激しい腹痛
Chest pain:激しい胸痛、突然の息切れ、押しつぶされるような痛み
Headache:激しい頭痛、めまい、失神
Eye problems:見えにくい部分がある、視野が狭い、舌がもつれる
Severe leg pain:ふくらはぎの激しい痛み・腫れ、押すと痛い、赤くなっている
自己判断で中止しないケース 服用開始から3か月以内で、生活に支障がない程度の副作用
・軽い吐き気や胃のむかつき
・少量の不正出血
・乳房の張り、軽い頭痛、むくみ
・軽い気分の落ち込みやイライラ など

医師に相談して中止のタイミングを決める

安全にやめるためには、服用目的や体調に合わせて、中止のタイミングを医師と相談して決めましょう。

注意
中止のタイミングを誤ると、治療中の症状が再び強くなったり、排卵の再開により予期せぬ妊娠につながったりする可能性があります。

たとえば、妊活を考えて中止する場合は、排卵が再開する時期や妊娠に向けた体の整え方について医師に相談できます。

副作用で中止を考えている場合は、その症状が「経過を見てもよい副作用」なのか、「すぐに受診が必要な症状」なのかを医師に確認することが大切です。種類を変更したり、服用時間を調整したりすることで、無理なく継続できる場合もあります。

服用中止について診察を受ける際は、中止したい理由や、ピルを服用する前に困っていた症状を整理して伝えましょう。


ピルの服用中止を希望する場合に医師に伝えるべきこと

ピルの服用中止を希望する場合に医師に伝えるべきこと

  • 中止を希望する具体的な理由
  • 現在気になっている副作用や体調の変化
  • ピルの服用前にあった生理痛・PMS・生理不順などの悩み
  • ピル服用前の生理周期や経血量
  • 中止後も避妊や治療を続けたいかどうか

再開時のリスクも理解しておく

一度やめてから再開する場合は、以前服用していた薬であっても、自己判断で再開せず医師に相談してください。

「前に飲んでいたから大丈夫」と考えて再開すると、現在の年齢や健康状態、喫煙習慣、血圧、持病などの変化を見落とす可能性があります。

注意
4週間以上ピルを中断している場合は、以前と同じ薬であっても自己判断で再開せず、医師に服用可否を確認してください。

4週間以上の中断後に服用を再開した時又は4週間以上の中断後に別の経口避妊剤へ切り替えた時にも静脈血栓症のリスクが上昇し、そのリスクは服用開始後3ヵ月間が特に高いとの報告がある。

参照:独立行政法人 医薬品医療機器機構ヤーズフレックス配合錠 添付文書

中断期間が短い場合でも、再開方法や追加の避妊が必要な期間は、ピルの種類や服用状況によって異なります。自己判断で余っている薬を再開するのではなく、必ず医師に確認してから服用を始めましょう。

中断期間が4週間を超える場合は、再開時の血栓症リスクや禁忌事項の確認が必要です。再開前には、以前の服用時から年齢・喫煙状況・血圧・体重・持病・服用中の薬が変わっていないかを医師に伝えてください。


ピルの中止時に考えたいことと再開時に確認すべきこと
ピルの中止時に考えたいことと再開時に確認すべきこと
ピルの中止時に考えたいこと ・どのような理由でピルを中止したいのか
・中止によって生理痛やPMSなどの症状が再び強くなる可能性はあるか
・中止後の避妊方法を準備できているか
・ピル以外の治療法や避妊法を検討する必要があるか
ピルの再開時に確認すべきこと ・中断期間が4週間以上あるか
・再開時の血栓症リスクに注意が必要か
・以前の服用時と比べて年齢、喫煙習慣、血圧、持病に変化はないか
・前回中止した理由を繰り返さないために、薬の種類や服用方法を見直す必要があるか

ポイント
ピルを飲まない方がいいか迷っている場合でも、自己判断で急にやめるのは避けましょう。中止後の避妊方法や症状の再発、再開時のリスクまで含めて、医師と相談しながら判断することが大切です。

ピルを飲まない方がいいかは体質と目的で判断する

飲まない方がいいかどうかは、体質・持病・喫煙習慣・服用目的によって判断が変わります。

ピルは誰もが一律に避けるべき薬ではありませんが、血栓症リスクや持病などによっては服用しない方がよい場合があります。

避妊や生理痛、PMS(月経前症候群)、子宮内膜症などの改善を目的に服用している場合は、ピルをやめることで症状が再び強くなったり、避妊への不安が増えたりする可能性もあります。

インターネット上の否定的な口コミや漠然とした不安だけで服用を諦めるのではなく、医師に相談したうえで「継続すべきか」「中止すべきか」「他に代替案があるか」を確認しましょう。

不安だけでやめるのは避ける

副作用への不安やインターネット上のネガティブな口コミだけで中止すると、本来得られていた避妊効果や生理痛・PMSの改善効果がなくなる場合があります。

「なんとなく怖いからやめる」のではなく、自分にとってピルを続けるメリットと、やめた後に起こる変化を比べて判断することが大切です。

副作用や血栓症などのリスクはありますが、すべての方に同じリスクがあるわけではありません。年齢、喫煙習慣、持病、片頭痛の有無、服用目的などによって、服用を続けられるかどうかの判断は変わります。

ポイント
続けることに不安がある場合は、「不安の原因が何か」「実際に症状があるか」「やめた後に避妊や生理痛への対策が必要か」を整理し、医師に相談したうえで判断しましょう。

ピルを続けることに不安があるときに確認したいこと

ピルを続けることに不安があるときに確認したいこと

  • 不安の原因は何か
  • 吐き気・頭痛・不正出血など実際の症状はあるか
  • 血栓症が疑われる症状はないか
  • ピルの服用を開始した目的は何か
  • ピルをやめた後の避妊方法は決まっているか
  • 生理痛やPMSが再発した場合の対処法はあるか

リスクがある場合は別の選択肢を検討する

血栓症リスクや持病などの理由でピルの服用が難しい場合は、無理に続けず、別の避妊法や治療法を検討しましょう。

注意
服用を避けるべき条件に当てはまる場合、自己判断で続けると健康上のリスクが高まる可能性があります。

ピルは、避妊や月経トラブルを改善するための選択肢の一つです。医師から処方が難しいと判断された場合でも、目的に応じて別の方法を選べる可能性があります。

たとえば、避妊目的であればIUS(子宮内避妊システム)やコンドーム、生理痛や子宮内膜症の治療目的であれば黄体ホルモン製剤や鎮痛薬、PMSの症状が強い場合は漢方薬や精神症状に対する薬などが検討されることがあります。


ピルの服用にリスクがある場合の代替手段
代替手段 主な目的 特徴
IUS(子宮内避妊システム) ・避妊
・過多月経
・生理痛
・エストロゲンを含まない
・一度の装着で長期間の避妊効果が期待できる
・医師による装着や抜去が必要
ミニピル ・避妊や月経トラブルへの使用が検討される場合がある ・エストロゲンを含まない
・低用量ピルが使いにくい方の選択肢になる場合がある
・日本では避妊目的では未承認
黄体ホルモン製剤 ・生理痛(月経困難症)の治療
・子宮内膜症の治療
・エストロゲンを含まない
・月経困難症や子宮内膜症の治療で使われる場合がある
・不正出血などの副作用が出る場合がある
鎮痛薬 ・生理痛 ・痛みの原因に関わる物質を抑える
・生理痛が強いときの対症療法として使われる
・痛みが強い場合は原因疾患の確認も必要
精神症状に対する薬 ・PMS(月経前症候群)
・PMDD(月経前不快気分障害)
・イライラや気分の落ち込みが強い場合に検討されることがある
・症状や体質に応じて医師が判断する
漢方薬 ・生理痛
・PMS
・冷えやむくみなど
・体質や症状に合わせて処方される場合がある
・即効性よりも継続的な体調管理に使われることがある

医師と相談して自分に合う方法を決める

ピルを飲まない方がいいか、続けた方がいいかは、自己判断ではなく医師と相談して決めましょう。

インターネット上の体験談やSNSの情報を鵜呑みにして中止したり、反対に無理に続けたりすると、体調の悪化や予期せぬ妊娠につながる可能性があります。

ポイント
医師に相談すれば、中止だけでなく、ピルの種類変更や代替手段への切り替えなど、自分に合う方法を検討できます。

相談する場合は、やめたい理由だけでなく、服用する前に困っていた症状や、中止後も避妊・治療を続けたいかどうかを伝えることが大切です。


医師との相談時に伝えること

医師との相談時に伝えること

  • ピルをやめたい理由
  • 現在気になっている副作用や体調の変化
  • ピル服用前の生理痛・PMS・生理不順などの症状
  • 中止後に避妊や治療を継続したいか
  • 喫煙習慣、持病、片頭痛の有無
  • 現在服用している薬やサプリメント

「忙しくて病院に行く時間が取れない」という方は、オンライン診療の利用を検討する方法もあります。

オンライン診療は通院の負担を減らしやすく、平日夜間や土日祝日に相談できる場合もあります。「通院する時間がない」「人目が気になって相談しにくい」という方でも、ピルの不安や中止の相談をしやすい選択肢です。

ピルを飲まない方がいいか迷っている方は、一人で悩まず、医師に相談して自分に合う方法を確認しましょう。