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ピルは、誰もが飲まないほうがいい薬ではありません。
副作用や体調不良がある場合も、自己判断でやめずに、医師に相談して判断するのが大切です。
この記事では「ピルを飲まないほうがいい人」「やめたほうがいい症状」を紹介した上で、逆に「飲むメリットが大きい人」「やめた後の変化」や「代替手段」まで解説します。
この記事を読めば、自分が服用を避けるべきかや、続けるかどう判断するか、次に取るべき行動が何かまで整理できるようになります。

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ピルは飲まない方がいいのか
ピルは、一律に飲まないほうがいい薬ではありません。
ただし、体質や持病によって、医学的に服用を避けるべき人はいます。
一方で、ピルの服用のメリットが大きい人もいるので、自己判断ではやめず、医師に相談するのが重要です。
ここでは、「ピルは飲まないほうがいいのか」について解説します。
ピルは飲まない方がいいのか
ピルは一律に飲まない方がいい薬ではない
ピルは、決して「誰にとっても危険で飲まない方がいい薬」ではありません。
むしろ、ピルは医師の管理のもとで服用すれば、避妊効果や治療効果などが期待でき、女性の健康と生活の質を大きく改善できる薬です。
SNSやインターネット上の口コミでは、血栓症などの副作用があることや将来の妊娠に影響するといった不安をあおるような情報があります。
しかし、医学的データによると、ピルを飲んでいない人と飲んでいる人では、血栓症になるリスクに大きな差はなく、わずかな違いしかありません。
さらに、ピルを飲んでいない人が血栓症になるリスクは、妊娠後の女性や出産後12週間以内の産婦に比べるとはるかに低いです。
血栓症になるリスク
| 血栓症になるリスク(年間1万人あたり) | |
|---|---|
| ピルを飲んでいない女性 | 年間1万人あたり1〜5人 |
| ピルを飲んでいる女性 | 年間1万人あたり3〜9人 |
| 妊娠中の女性 | 年間1万人あたり5〜20人 |
| 出産後12週間以内の産婦 | 年間1万人あたり40〜65人 |
参照:スマルナ「PILL FACTBOOK」
また、ピルの使用が将来の不妊につながるという根拠はなく、服用中止後には速やかに排卵が再開されます。
長期間(特に結婚前)のOC(経口避妊薬)の使用により、卵巣機能が低下することもない。実際に、OC服用を中止すれば、通常は1ヶ月以内に排卵が起こり、月経周期は速やかに回復する。
ピルは一律に服用するのが良い・悪いと決められる薬ではありません。
医師がピルを処方する際に重視するのは、「服用を避けるべき条件」に当てはまっているか否かです。
医師の判断のもとで指示に従って服用することが、副作用のリスクを最小限にし、ピルを服用するメリットを最大限に引き出すことにつながります。
飲まない方がいい人と飲むべき人が分かれる
ピルを服用すべきかどうかは、個人の体質や生活習慣、服用する目的に応じて分かれます。
ピルは万人向けのサプリメントではなく、メリットがリスクを上回る場合にのみ推奨される医薬品です。
自分が飲まないほうがいいのか、医師の管理下で飲んだほうがいいのかは、以下の判断基準をもとに確認してください。
ピル服用可否セルフチェック表
| ピル服用可否セルフチェック表 | |
|---|---|
| 飲まないほうがいい人 | ・35歳以上で1日15本以上の喫煙者 ・血栓症の既往歴がある人 ・前兆を伴う片頭痛がある人 ・重症高血圧の人 など |
| 慎重の判断が必要な人 | ・40歳以上 ・肥満(BMI30以上) ・軽度の高血圧の人 ・乳がんの家族歴がある人 など |
| 飲むメリットが大きい人 | ・月経困難症(強い生理痛)や子宮内膜症などの治療を目的とする人 ・確実な避妊を望む人 など |
参照:日本産科婦人科学会「産婦人科診療ガイドラインー婦人科外来編2023」
ピルの服用の可否を分ける最大のポイントは、血栓症のリスクです。
ピルに含まれるエストロゲンには血液を固まりやすくする性質があるので、すでに血栓症のリスクが高い方の服用は推奨されていません。
「ピルを服用しようか迷っている」という方は、医師の診察を受けて安全に服用できるかを確認してください。
自己判断でやめるのが最もリスクが高い
ピルの服用中に不安を感じても、自分の判断だけで服用を中止するのは避けてください。
ピルはホルモンバランスを外部からコントロールするので、突然の中断は体調の急変や、本来防ぎたかった症状の再発を招く恐れがあるからです。
自己判断でピルを中止するリスク
自己判断でピルを中止するリスク
- ピルの服用により防いでいた症状の再燃
- 予期せぬ妊娠のリスクが高まる
- 不正出血が起きたり、体調が不安定になったりする
服用をやめたいと思った時には、必ず医師に相談して、指示に従ってピルの服用を中止してください。
また、ピルが体に合わないと感じる場合には、医師に相談してピルの種類を変更することで症状が改善される場合があります。
ピルを飲まない方がいい人
服用によるリスクがメリットを上回る人は、ピルの服用を避けるべきです。
ピルは比較的安全な薬ですが、特定の持病や生活習慣がある方には、血栓症などの副作用が発生するリスクが高くなるからです。
ここでは、ピルを飲まないほうがいい人について解説します。
血栓症リスクが高い人
ピルを服用する上で最も注意すべき副作用が血栓症であり、もともと血栓症のリスク因子を持っている人は、服用するにあたって注意が必要です。
ピルに含まれるエストロゲンには血液を固まりやすくする作用があるため、もともとリスクが高い人が服用すると、血栓症の発症確率をさらに高めてしまう可能性があるからです。
血栓症の主なリスク因子
血栓症の主なリスク因子
- 肥満
- 妊娠・産後
- 加齢
- 喫煙
- 心肺疾患(うっ血性心不全など)
- がん
- 各種手術
- 長期間の安静
血栓症は早期に適切な治療を行えば回復しますが、最悪の場合は脳梗塞や心筋梗塞など、命に関わる重大な疾病を引き起こすリスクがあります。
「血栓症が怖いから」と、必要以上にピルの服用を恐れる必要はありません。
実際に、ピルの服用による血栓症の発症率は年間1万人あたり3〜9人と、妊婦や産後の女性と比較すると少ないです。
血栓症のリスクを抑えて服用できるのか、特別に配慮が必要なのかを医師に確認した上で、ピルの服用をすべきか検討してください。
35歳以上で喫煙習慣がある人
「35歳以上」かつ「1日15本以上の喫煙」という2つの条件に当てはまる方は、医学的にピル服用の絶対的な禁忌に該当します。
加齢とタバコにより血管が細く固くなっている状態に、ピルによる血液が固まりやすくなる作用が組み合わさることで、血栓症を引き起こすリスクが非常に高くなるからです。
加齢によって血管の柔軟性が失われていくところに、タバコに含まれる成分が加わると、血管の収縮や動脈硬化が促進し、血管が細く硬い状態になります。
たとえば、ピルを飲んでいる人の中でも、35歳以上で1日に15本以上タバコを吸う人は、34歳以下の人に比べて、心筋梗塞による死亡率が大きく上昇することがわかっています。(参照:厚生労働省「経口避妊薬(OC)の安全性についてのとりまとめ」)
35歳以上で喫煙をしている方がピルを服用したい場合には、禁煙を検討すべきです。
「どうしてもタバコがやめられない」という方は、医師に相談した上で、エストロゲンを含まないミニピルの服用を検討すると良いでしょう。
年齢・喫煙の有無とピル服用の可否
| 35歳未満 | 35歳以上 | |
|---|---|---|
| 非喫煙者 | 服用可能 | 服用可能 |
| 1日15本未満 | リスクを上回る利益がある | 利益を上回るリスクがある |
| 1日15本以上 | リスクを上回る利益がある | 容認できない健康上のリスクがある |
高血圧や糖尿病などの持病がある人
高血圧や糖尿病などの持病がある方は、病状の重さやコントロール状況によってピルの服用によるリスクの高さが違います。
ピルに含まれる女性ホルモンは、血圧・糖代謝に影響を与える可能性があるため、持病の種類によっては血管障害や内臓への負担を悪化させる恐れがあるからです。(参照:日本産科婦人科学会「低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン(改訂版)」)
ただし、高血圧や糖尿病などの持病があるからといって、必ずしもピルが服用できないわけではありません。
持病がある場合は自己判断で服用を開始せず、必ず主治医と産婦人科医の両方に相談し、リスクとメリットを天秤にかける必要があります。
持病がある方のチェック項目
| 服用を控えるべきケース(禁忌) | 相談のうえ服用を検討できるケース | |
|---|---|---|
| 高血圧 | 収縮期160mmHg、拡張期100mmHgを超える | 軽度の血圧上昇で管理が良好 |
| 糖尿病 | 腎症、網膜症、神経障害または他の血管疾患があるか、20年を超える | 合併症がなく、血糖値が安定している |
| 肝疾患 | 重症の肝硬変、肝腫瘍 | 軽症で代償性の肝疾患 |
乳がんなどホルモン関連疾患の既往がある人
乳がんなどのホルモン依存性悪性腫瘍にかかっている人は、ピルの服用が禁忌になっています。
ピルに含まれているエストロゲンには、特定の腫瘍細胞の増殖を促進させる性質があるため、病状を悪化させたり、再発を誘発したりする可能性があるからです。
疾患の状態によってピルが体に与える影響が異なるので、必ず医師に相談してください。
乳がんの既往がある人のピルの服用
| 乳がんの既往がある人のピルの服用 | |
|---|---|
| 乳がん患者 | 容認できない健康上のリスクがある |
| 乳がんの既往歴があって3年間再発がない | 利益を上回るリスク がある |
| 診断未確定の乳房腫瘤 | リスクを上回る利益がある |
| 良性の乳房疾患または乳がんの家族歴 | 使用制限なし |
ホルモン関連の疾患の既往がある場合、無条件でピルを飲めないわけではありませんが、医師の診察を受けた上で指示を仰ぐ必要があります。
まずは主治医に「ピルの服用を検討している」旨を相談し、現在の病状に基づいたピル服用のリスクに関する評価を受けてください。
妊娠中・授乳中・産後すぐの人
妊娠中、授乳中、および産後すぐの方は、原則としてピルの服用はできません。
妊娠中、授乳中、および産後すぐは血栓症のリスクが非常に高まっている時期だからです。
さらに、ピルに含まれる女性ホルモンが母乳の量や質、胎児・乳児の発育に影響を及ぼす恐れもあります。
妊娠中、授乳中、および産後すぐのピルの服用について
| 妊娠中、授乳中、および産後すぐのピルの服用について” | |
|---|---|
| 妊娠中 | 服用が禁忌 |
| 産後(授乳あり) | 服用が禁忌 |
| 産後(授乳なし) | 産後4週間(または21日間)は服用が禁忌 |
妊娠中や産後・授乳期に避妊が必要な場合、低用量ピル以外のコンドームなどの避妊法を利用してください。
エストロゲンを含まないミニピルであれば授乳中でも利用できるので、医師に相談の上で検討してください。
ピルをやめた方がいいサイン
ピルの服用中に普段とは明らかに違う体調の異常が現れた場合、服用を中止すべきかを医師に相談する必要があります。
飲み始めの1〜3ヶ月に起きる一時的な副作用(マイナートラブル)であれば継続可能ですが、重大な副作用のサインを放置すると、命に関わる事態を招く恐れがあるからです。
特に血栓症が疑われる症状がでた場合には、直ちに服用を中止して医療機関に受診してください。
ここでは、ピルをやめた方がいいサインについて解説します。
胸の痛みや息苦しさなど重い症状がある場合
ピルの服用中に激しい胸の痛みや突然の息苦しさを感じた場合には血栓症の疑いがあるので、直ちに服用を中止して医療機関に受診してください。
激しい胸の痛みや突然の息苦しさは、血管が詰まり肺や心臓が深刻なダメージを受けているサインである可能性があります。
血栓が肺や心臓などに詰まっていることが考えられる主な症状
| 症状の種類 | 具体的な状態 | 疑われるリスク |
|---|---|---|
| 呼吸の異常 | ・急にゼーゼーする ・深く息が吸えない |
肺塞栓症 |
| 胸の痛み | ・刺すような痛み ・押しつぶされる感覚 |
心筋梗塞・肺塞栓症 |
| 血の混じった痰 | ・咳とともに血が出る | 肺の血管障害 |
| ひどい腹痛 | ・差し込むような強い痛み | 腸間膜静脈血栓症など |
特に、「安静にしていても息が苦しい」「押しつぶされるような胸の痛みがある」といった場合には、絶対に放置してはいけません。
たとえば、肺の血管が血栓で詰まってしまう肺塞栓が起きると、全身の酸素供給量が滞り、最悪の場合には命にも関わります。
突然の胸の痛みや息苦しさを感じた場合には、迷わずピルの服用を中止して、医療機関に受診しましょう。
激しい頭痛やめまいが続く場合
ピルの服用中に、これまでに経験したことがないくらいの激しい頭痛や、立っていられないほどのめまいが現れた場合には、脳梗塞などの重大な病気の前兆である可能性があるので、直ちに服用を中止して受診してください。
ただし、ピルの飲みはじめにも頭痛などが見られるので、脳梗塞などが疑われる症状と正しく鑑別する必要があります。
よくある軽い不調と受診・中止が必要な症状の違い
| 主なよくある軽い不調 | 受診・中止が必要な主な症状 | |
|---|---|---|
| 頭痛 | 市販の鎮痛剤で収まる、いつもの頭痛 | 突然の激痛、バットで殴られたような痛み |
| めまい | 立ちくらみ程度、すぐに治まる | ぐるぐる回る、真っ直ぐ歩けない、意識が遠のく |
| 感覚異常 | 特になし | 片側の手足のしびれ、力が入らない、舌のもつれ |
| 継続期間 | 数時間〜数日で改善する | 症状が強く、徐々に悪化する |
血栓により脳血管のトラブルが起きていると、頭痛以外にも手足の痺れや使いづらさ、舌のもつれやしゃべりづらさが見られる場合があります。
「これくらいなら我慢できる」と放置するのが最も危険です。
いつもと違う激しい頭痛やめまいが続く場合は、ピルの服用を中止して、医療機関に受診してください。
吐き気や体調不良が日常生活に支障をきたす場合
ピルの服用中に「仕事や学校に行けない」「家事が手につかない」といった、日常生活に支障をきたすほどの吐き気や体調不良がある場合には、我慢せずに医師に相談し、服用の中止やピルの種類の変更を検討してください。
飲み始めて1〜3ヶ月程度は、ホルモンバランスの変化に伴う吐き気などの副作用が起こりやすく、日常生活に支障をきたさなければ継続してピルを服用すべきです。
しかし、日常生活に支障をきたすほどの副作用がある場合にも、医師に相談しピルの変更をすることで、楽に継続して服用し続けられる可能性があります。
継続しやすい軽い副作用と相談したい副作用の例
| 症状 | 継続しやすい軽い副作用 | 相談したい副作用 |
|---|---|---|
| 吐き気 | むかつきがあるが、食事は摂れる | 吐いてしまう、食事が喉を通らない |
| だるさ | いつもより少し眠い、疲れやすい | 起き上がれない、一日中寝込んでしまう |
| 気分の変化 | 少しイライラする、涙もろい | 強い抑うつ感 |
また、ピルの服用に伴う副作用は2〜3ヶ月で改善するのが一般的です。
3ヶ月経っても副作用が改善しない場合にも、医師に相談してピルの変更を検討してください。
血圧の上昇など異常が見られる場合
ピル服用中に血圧が収縮期160mmHg以上または拡張期100mmHg以上に達した場合、ピルの服用を中止する必要があります。
ピルに含まれるエストロゲンには血圧を上昇させる作用があり、高血圧を放置したまま服用すると、脳卒中などを発症するリスクがあるからです。
血圧の上昇は自覚症状がないまま進行する場合も多いので、ピルの服用中は定期的に血圧検査を行い、異常を見逃さないようにしてください。
血圧以外にも、血液検査で肝機能や血糖値などを定期的に測定しておくことで、症状がなく見逃しやすい異常に気付ける可能性が高くなります。
症状がなく見逃しやすい異常
| 検査項目 | 異常のサイン | 検討すべき対応 |
|---|---|---|
| 血圧 | 140/90 mmHg以上への継続的な上昇 | ・収縮期160mmHg以上または拡張期100mmHg以上:服用を中止し、医師に相談する ・収縮期140〜159mmHgまたは拡張期90〜99mmHg:医師への相談が必要 |
| 脂質代謝 | 中性脂肪やコレステロールの急増 | 食生活の改善、または服用中止の検討 |
| 肝機能 | AST(GOT)やALT(GPT)の基準値を大きく上回る上昇 | 肝臓への負担を考慮し中止を検討 |
| 血糖値 | 耐糖能の低下や糖尿病の診断 | 糖尿病リスクを評価し慎重に判断 |
健診や通院時に、血圧や血液検査の異常が見られた場合には、まずはピルを処方してくれた医師に相談してください。
ピルをやめてよかったと感じるケース
副作用が長く続いている人や、服用自体が負担になっている人は、ピルをやめることで体調が良くなったり、気持ちに余裕が出たりする場合があります。
ピルは女性の体調や生活を良くする効果が期待できる薬ですが、人によっては副作用の影響のほうが大きくなる場合もあるからです。
ここでは、ピルをやめてよかったと感じるケースを紹介します。
ピルをやめてよかったと感じるケース
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副作用(吐き気・頭痛)が改善した
ピルをやめてよかったと感じる理由として多いのが、ピルの飲み始めの時期に起きる、吐き気や頭痛といった副作用が改善されるケースです。
ピルの飲みはじめに見られる吐き気や頭痛といった症状は、服用を中止すると比較的速やかに改善される場合が多く、「体が軽くなった」「毎日楽に過ごせる」という実感につながりやすいです。
服用を中止することで改善が期待できる副作用
服用を中止することで改善が期待できる副作用
- 吐き気や胃の不快感
- 頭痛
- むくみや体重増加
- 乳房の張りや痛み
副作用を理由にピルを中止する場合、体調が回復するというメリットがある一方で、避妊や生理痛の改善といった服用目的が達成できなくなるというデメリットがあります。
ピルに服用に伴う副作用は2〜3ヶ月で改善するのが一般的です。(参照:メデリピル「mederi fact book」)
生活に支障が出ないくらいの副作用であれば、吐き気止めなどの対策をしながら、3ヶ月継続して服用してください。
生活に支障が出るほどの副作用がある場合や、3ヶ月経っても改善しない場合には、医師に相談して中止するかピルの種類を変更してもらいましょう。
体調やメンタルが安定した
ピルの服用を中止することで、原因がはっきりしなかった気分の落ち込みや、慢性的なだるさが解消され、体調やメンタルが安定したと実感できる方もいます。
ピルを服用することによるホルモンバランスが変化により、身体面やメンタル面の不調を招く恐れがあるからです。
ピル服用による身体面やメンタル面の不調
| ピル服用による身体面やメンタル面の不調 | |
|---|---|
| 身体面の主な不調 | ・性欲の減退 ・冷えやほてり、多汗 ・疲れやすさ |
| メンタル面の主な不調 | ・抑うつ ・不安感や焦燥感 ・集中力や意欲の低下 |
ただし、PMS(月経前症候群)が原因でピルを飲んでいる場合、服用を中止することで逆にメンタルが不安定になる可能性があるので注意が必要です。
ピルを飲み始めてから気分や性格の変化を感じた場合は、体に合っていない可能性があるため、医師に相談して種類の変更や中止を検討してください。
もともとPMSがひどく、休薬期間だけつらいなら、ヤーズフレックスのような連続して服用するタイプに切り替えられるかを医師に相談してください。
服用のストレスがなくなった
ピルを中止することで、「毎日決まった時間に服用しなければならない」という心理的なプレッシャーや、飲み忘れによる不安から解放されるというメリットがあります。
ピルは避妊や生理痛などの改善に効果がありますが、その効果を保つためには毎日の服用管理が必要です。
「毎日服用しなければならない」という義務感は、人によっては大きな精神的な負担になる可能性があります。
ピルの服用に対する主なストレス
ピルの服用に対する主なストレス
- 飲み忘れに対する恐怖感
- 服用のための管理コスト
- 定期的に処方をするための通院時間や薬代といった負担
ただし、ストレスを理由に服用をやめると、避妊や治療といった本来の目的を達成できなくなります。
避妊目的で管理が辛い場合には、IUS(子宮内黄体ホルモン放出システム)など、毎日の服用が不要な避妊法への切り替えを検討しましょう。
通院がストレスの場合には、受診のために病院に行く必要がないオンライン診療の利用を検討してください。
薬を飲むこと自体がつらい場合は、医師に相談して一度休み、飲まないメリットとピルを続けるメリットのどちらを優先するか見直すのが良いでしょう。
ピルをやめて後悔するケース
ピルをやめると、生理痛やPMS(月経前症候群)の再発や、避妊への不安が増えるなど、後悔する場合があります。
「副作用がつらい」「飲み続けるのが不安」といった理由でやめる場合は、中止後に起こる変化をあらかじめ理解しておくことが大切です。
ここでは、ピルをやめて後悔するケースを紹介します。
ピルをやめて後悔するケース
生理痛やPMSが悪化した
ピルをやめると、これまで抑えられていた生理痛やPMS(月経前症候群)が元に戻り、人によっては以前より強く感じる場合もあります。
ピルは排卵を抑制し、子宮内膜が厚くなるのを抑えることで、痛みのもととなるプロスタグランジンの産生を減少させています。
また、ホルモンバランスが常に一定の状態に保つので、ホルモンバランスの変動によるイライラや抑うつを抑えることが可能です。
ピルを中止するとホルモンバランスが自然なサイクルに戻るので、生理痛やPMSといった症状も再び現れます。
服用前・服用中・中止後の症状変化シミュレーション
| 服用前 | 服用中 | 中止後 | |
|---|---|---|---|
| 生理痛 | 強い | 極めて軽い | 強い |
| PMS | イライラや体調不良が起きやすい | 安定する | イライラや体調不良が再発する |
ただし、全ての人の症状が悪化するわけでなく、副作用がなくなって体調が良くなる人もいます。
子宮内膜症などの治療でピルを服用している場合には、やめると病気が進行するリスクがあるので、自己判断で中止せず、必ず医師に相談してください。
副作用などでやむを得ず中止する場合には、医師に相談してピル以外の治療法を提案してもらいましょう。
生理周期が不安定になった
ピルをやめると薬でコントロールされていた規則的な生理周期が不規則になり、生理日の予測が難しくなるので、旅行や仕事などの予定管理に支障をきたしかねません。
ピル服用中は、薬のホルモン作用によって約28日周期で正確に消退出血が起きます。
しかし、服用を中止すると自分自身のホルモンによる周期になるので、一時的に周期が早まったり、逆に数ヶ月遅れたりするなど、周期が乱れやすくなります。
服用前から生理不順だった人は、ピル中止後には高確率で元の状態に戻る可能性が高いです。
ただし、やめた直後の1〜3か月の乱れは、体が元のリズムに戻る過程で起きる一時的なものである場合も多いです。(参照:参照:スマルナ「PILL FACTBOOK」)
ピルを中止して3ヶ月以内に生理がこない場合には、続発性無月経の可能性があるので放置せずに婦人科を受診してください。
避妊の不安が増えた
ピルの服用を中止すると、高い避妊効果が失われるため、予期せぬ妊娠への不安が心理的なストレスとなるケースがあります。
ピルは、排卵を抑制し、子宮頸管粘液を変化させて精子の侵入を防ぐことで、正しく使用した場合では99.7%という極めて高い避妊効果を発揮します。
ピルを服用中止後に避妊を希望する場合には、別の避妊法を利用してください。
避妊法ごとの特徴と妊娠率
| 避妊法 | 特徴 | 理想的な使用での妊娠率 | 一般的な使用での妊娠率 |
|---|---|---|---|
| ピル | ・高い避妊効果がある ・女性が主体で避妊できる ・多くの副効用が期待できる ・飲み忘れにより避妊効果が下がる |
0.3% | 7% |
| コンドーム | ・薬局やコンビニエンスストア等で手軽に入手可能 ・避妊と同時に性感染症を予防できる ・ピルより妊娠率は高い |
2% | 13% |
| IUS(子宮内避妊システム) | ・一度装着すればピルのような飲み忘れのリスクなく、数年間(最長5年程度)効果が持続できる ・ピルと同等以上の極めて高い避妊効果がある ・産婦人科を受診して医師による装着や抜去の処置を受ける必要がある ・費用がかかる |
0.1% | 0.1% |
参照:スマルナ「アフターピルファクトブック」
今後しばらく妊娠を望まないのなら、IUSといった高い避妊効果を発揮する避妊法への切り替えも検討してください。
ピルを飲み続けるリスク
ピルを飲み続けることにより多くのメリットがありますが、ピルを飲み続けるリスクはゼロではありません。
ピルは比較的安全に継続して服用できますが、年齢や生活習慣によっては飲み続けるリスクは高くなります。
ピルは漫然と飲み続けるのではなく、常にリスクよりもメリットが上回っているかを判断するようにしてください。
ここでは、ピルを飲み続けるリスクを解説します。
ピルを飲み続けるリスク
ピルを継続するメリットとリスク
| ピルを継続するメリットとリスク | |
|---|---|
| ピルを継続するメリット | ・高い避妊効果 ・生理痛の緩和 ・経血量の減少 ・子宮内膜症の進行抑制や治療 ・PMS(イライラ・抑うつ)の改善 ・生理日のコントロール |
| ピルを継続するリスク | ・血栓症のリスク ・抑うつや意欲低下 ・吐き気や頭痛などの副作用の継続 ・服用することに対するプレッシャー |
血栓症のリスクはゼロではない
ピルを服用する際に最も注意すべき重篤な副作用として、血栓症があります。
血栓症の発症頻度は極めて低いですが、リスクはゼロではありません。
ピルを飲んでいない人の血栓症の発症頻度は1万人あたり年間1〜5人ですが、ピルを服用している人の場合には3〜9人とわずかに多いことが報告されています。
ピルを服用するだけでは血栓症のリスクはそれほど高くありませんが、特定の病気や生活習慣がある場合のリスクは高くなります。
血栓症のリスクが高くなる条件
血栓症のリスクが高くなる条件
- 加齢:40歳以上で慎重投与
- 肥満:BMI30以上で慎重投与
- 喫煙:35歳以上で1日15本以上の喫煙で禁忌
- 高血圧:収縮期160mmHg、拡張期100mmHg を超える場合は禁忌
- 糖尿病:20年を超える糖尿病の場合は禁忌
- 前兆を伴わない片頭痛:脳卒中のリスクが高く禁忌
- 手術:長期臥床が必要な手術の場合は禁忌
参照:日本産婦人科学会「産婦人科診療ガイドラインー婦人科外来編2011」
ピル服用中でも、自分の健康状態や生活習慣によっては血栓症のリスクは高くなります。
ピルを服用中でも定期的な血液検査などの健康診断は欠かさず、服用に不安が出たら医師に相談してください。
副作用が継続する可能性がある
ピルの飲みはじめに見られる副作用は2〜3ヶ月以内に治ることが多いですが、体質によっては継続し、日常生活に支障をきたす場合があります。
ピルの成分量や配合バランスが体質に合わない場合には、副作用が長く継続する可能性があるからです。
日常生活に支障をきたすほどの副作用がある場合には、医師に相談してピルの中止や種類の変更を検討してください。
継続していい副作用と見直したい副作用
| 継続していい副作用と見直したい副作用 | |
|---|---|
| ピルの服用を継続していい見直したい | ・ピルの飲み始めて最初の時期に見られる吐き気や頭痛などの副作用 ・生活に支障をきたさない程度の副作用 |
| ピルの継続を見直したい副作用 | ・血栓症のサインがある場合:激しい頭痛や胸痛や息切れなどACHESが見られる場合 ・副作用が3ヶ月以上続く場合 ・生活に支障をきたす副作用がある場合 |
副作用があっても生活に影響がなければ続ける方が良いですが、無理に我慢する必要はありません。
不調を抱えつらいまま飲み続けることは、本来の目的である生活の質の改善に逆行しています。
つらい副作用がある場合には、我慢せずに医師に相談してください。
体質に合わないまま服用を続けるリスク
体質に合わないままピルを飲み続けると、服用するメリットよりもデメリットの方が高く、結果的には生活の質を下げるリスクがあります。
ピルは、本来は女性の健康と生活の質を大きく改善できる薬です。
しかし、体調の不良があるまま3ヶ月以上続けて服用するのは推奨されていません。
体質に合わないまま薬を服用し続けると、慢性的なストレスとなり、日常生活や仕事のパフォーマンス低下の原因になります。
ピルの服用開始から3ヶ月以内の時期であれば、日常生活に支障がない副作用であれば、吐き気止めなどを併用しつつ継続して服用すると良いでしょう。
飲み始めに見られる副作用は、2〜3ヶ月で治るケースが多いです。
3ヶ月経っても改善しない場合には、医師に相談してピルの中止や種類の変更を検討してください。
ピルの種類を変更すれば、副作用が改善するケースもあります。
ピルを飲んだ方がいい人
ピルは飲まない方がいい薬ではなく、避妊を確実にしたい方や、生理に伴う痛みや気分の浮き沈みがある方にとって、生活の質を劇的に改善できる有効な薬です。
SNSや口コミなどで副作用に関する記載もありますが、医学的には服用によるリスクよりもメリットの方が大きく上回ります。
ここでは、ピルを飲んだ方がいい人を紹介します。
ピルを飲んだ方がいい人
避妊を確実にしたい人
ピルは、正しく服用することで99%以上の避妊効果を発揮するため、パートナー任せにせず自分主体で確実な避妊を行いたい方に最適です。
日本で避妊法として使用されることが多いコンドームは、破損や脱落などの使用ミスを含めた一般的な使用における妊娠率は13%と意外に高いのが現状です。
一方、ピルを飲み忘れなく正しく服用した場合の妊娠率は0.3%に抑えられます。
毎日決まった時間に飲む習慣がつけられるなら、ピルは非常に高い避妊効果が期待できます。
飲み忘れる心配があるなら、IUSの方が避妊効果を上げることが可能です。
避妊法ごとの妊娠率や特徴の違いはこちら
生理痛やPMSに悩んでいる人
生理痛(月経困難症)やPMS(月経前症候群)によって、毎月仕事や家事を休まざるを得ないなど、日常生活に支障が出ている方はピルの服用によって改善する場合が多いです。
プロスタグランジンという物質が子宮を過剰に収縮させることで生理痛は起きます。
ピルを服用すると子宮内膜が厚くならないようにコントロールされるので、プロスタグランジンの生成を抑え、生理痛が軽減される可能性が高いです。
また、ピルを服用し排卵を止めることでホルモンの変動が小さくなり、PMSによるイライラや気分の落ち込みも軽減できます。
生理痛やPMSなど生理に関する悩みとピル服用による効果
| 症状 | よくある悩み | ピル服用による効果 |
|---|---|---|
| 生理痛 | ・下腹部が絞られるような痛い ・腰痛や頭痛がひどい |
・痛みの劇的な改善 |
| 経血量 | ・経血量が多い ・レバー状の塊が出る ・貧血が起きやすい |
・経血量の減少 ・ナプキンの交換頻度が減る ・貧血が改善する |
| メンタルの波 | ・生理前のイライラや気分の落ち込み | ・情緒が安定して、フラットな気分で過ごせる |
| 生活の制限 | ・生理中に寝込んでしまう ・生理中に仕事や学業が手につかない |
・生理中の体調不良が改善され、生活の質が向上する ・生理日に左右されずに、スケジュールが立てられるようになる |
生理痛のため鎮痛剤が手放せない、または飲んでも効かないという方は、治療目的のピルであるLEP(低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬)の服用を検討してください。
LEPは、保険適用で処方が受けられる可能性があるので、経済的な負担を抑えて治療が可能です。
生理前に性格が変わるほどイライラするという方は、精神科などを受診する前に婦人科を利用して医師に相談してください。
「生理痛や生理前の気分の変動は病気じゃないから我慢すべき」といった考え方は間違っています。
生理に関する体調不良が気になる方は、医師に相談してピルの服用を検討しましょう。
生理周期を安定させたい人
ピルを服用すれば、不規則だった生理周期を28日周期に安定させることが可能です。
生理日が予測できると、旅行や仕事、大切なイベントに合わせてスケジュールを立てやすくなり、生活の質が大きく向上します。
ピルを服用すると、実薬を飲んでいる期間には排卵を抑制し、休薬期間に消退出血が起きるので、ほぼ同じ周期で計算通りに経血がやってきます。
また、ピルを利用すれば特定の日に生理を避けるといった、生理を遅らせたり早めたりすることも可能です。
ただし、月経不順の背景には、多嚢胞性卵巣症候群や甲状腺機能の異常といった疾患が隠れている可能性があります。
単に周期を整えるだけでなく、検査を受けて月経不順の原因を特定することも重要です。
ピルをやめた後の体の変化
ピルを中止するとホルモンバランスが元に戻り、生理周期や体調が変化します。
ピルをやめた後に体調が劇的に悪化することは稀ですが、服用前に見られた生理痛やPMS(月経前症候群)の症状は再発する可能性が高いです。
ここでは、ピルをやめた後の体調の変化を解説します。
ピルをやめた後の体の変化
ピル服用中止後に変わりやすいこと・個人差が大きいこと
| ピル服用中止後に変わりやすいこと・個人差が大きいこと | |
|---|---|
| 変わりやすいこと | ・生理周期 ・生理痛やPMSの再発 ・経血量 ・副作用である吐き気や頭痛、むくみの消失 |
| 個人差が大きいこと | ・体重の増減 ・バストサイズ |
ホルモンバランスが元に戻る
ピルの服用を中止すると外部からのホルモンがなくなるので、ホルモンバランスが元に戻り、本来の排卵を行うリズムになります。
ピルを飲んでいるからといって、将来の妊娠に悪影響を及ぼすことはありません。
ピルをやめてから最初の生理(消退出血)が来た後、多くの人は1〜3ヶ月以内に自然な排卵と生理が再開します。
ピル服用中止後の月経再来率
服用前から生理周期が安定している方は、ピルの中止後に1ヶ月以内に自然な生理が再開されやすいです。
しかし、もともと生理不順があった場合、ピル服用中止後も生理周期が安定しない傾向にあります。
3ヶ月以上生理がこない場合には、続発性無月経の可能性があるので、医師に相談してください。
生理周期や体調が変化する
ピルの服用をやめると、数ヶ月以内に本来の生理周期や体調に戻りますが、一時的に周期が乱れたり生理痛が強く感じられたりすることがあります。
ピルの服用をやめた後に起きる生理周期や体調の変化は、ホルモンバランスが再び動き出す過程で起こる自然な反応であり、体が本来のリズムを取り戻すための一時的な反応である場合が多いです。
また、ピル服用中に生理痛や生理前の気分の乱れが改善されていた人は、服用をやめることにより以前のつらい状態が再発する可能性が高いです。
日常生活に支障が出るほど生理痛があったり、経血にレバーのような大きな塊が混じったりする場合には、子宮内膜症などの疾患が進行している可能性があります。
ピル服用中止後に、生理周期が不安定な場合や体調がすぐれずつらい場合には、医師に相談してください。
ピル服用中止後の生理周期・体調変化の例
| ピル服用中止後の生理周期・体調変化の例 | |
|---|---|
| 生理周期 | ・不安定になりやすい ・周期が早まったり、遅れたりバラバラになる |
| 生理痛 | ・ピル服用以前の痛みが再発する ・人によっては激化したと感じる場合もある |
| 経血量 | ・元の量に戻る ・ピル服用前より明らかに量が増え、期間も長くなる |
| PMS | ・再発する |
胸や体型の変化は個人差がある
ピルによる胸の張りや体重の変化は、むくみやホルモンバランスの変化による影響が大きく、個人差が非常に大きいです。
ピルを飲むと太るという噂もありますが、医学的にはピルと体重増加との因果関係は立証されていません。(参照:スマルナ「PILL FACTBOOK」)
ピルによって太ったと感じた場合でも、実際には副作用によるむくみの可能性が高いです。
また、胸の張りもピルに含まれるホルモンの影響によって引き起こされる、代表的な副作用の一つです。
「服用中にむくみが強い」という方は、ピルを中止することでむくみがとれ、見た目がすっきりする可能性があります。
「服用中も特に体型や胸に変化がない」という方は、中止しても体型や胸のサイズに大きな影響は出にくいでしょう。
ピル中止後の胸や体型の変化
| ピル中止後の胸や体型の変化 | |
|---|---|
| 起こりやすい変化 | ・むくみの解消 ・胸の張りの消失 |
| 個人差がある変化 | ・バストサイズの変動 ・体重の増減 |
ピルを飲まない場合の代替手段
「ピルの服用を中止する」「ピルを飲まない」といった場合でも、避妊や生理に関するトラブルの改善は可能です。
避妊や性に関するトラブルに関する代替手段を考えずにピルを中止すると、望まない妊娠のリスクが高くなったり、体調不良に悩まされたりする恐れがあります。
ここでは、ピルを飲まない場合の代替手段について解説します。
ピルを飲まない場合の代替手段
コンドームなど他の避妊方法を使う
ピルの服用を中止する場合、すぐに別の避妊法を使い始めるのが避妊するためには不可欠です。
ピルをやめた直後から排卵が再開する可能性が高く、他の避妊法を使用しないと、望まない妊娠のリスクが極めて高いからです。
主な避妊法の妊娠率や特徴
| 理想的な使用での妊娠率 | 一般的な使用での妊娠率 | 主体性 | 性感染症予防の可否 | 特徴 | |
|---|---|---|---|---|---|
| ピル | 0.3% | 7% | 女性主体 | なし | ・生理痛・PMSの改善などの副次的効果が期待できる ・飲み忘れで避妊効果が低下する ・吐き気や頭痛といった副作用のリスクあり |
| コンドーム | 2% | 13% | 男性主体 | あり | ・安価に手軽に入手可能 ・破損や誤った使用で避妊効果が低下する |
| IUS(子宮内避妊システム) | 0.1% | 0.1% | 女性主体 | なし | ・長期的避妊に最適 ・導入初期に不正出血が続くことがある |
参照:スマルナ「アフターピルファクトブック」
手軽に避妊したい場合には、ドラッグストアなどで気軽に購入できるコンドームが最適です。
また、コンドームであれば性感染症も予防できます。
避妊を確実にしたいのなら、IUS(子宮内避妊システム)を利用しましょう。
IUSは、一度装着すれば数年間の避妊ができる上に、飲み忘れなどの人為的ミスがなく高い避妊効果があります。
ミニピルなど別の選択肢を検討する
低用量ピルが体質に合わない場合でも、ミニピルといった別のホルモン療法であれば無理なく利用できる可能性があります。
ミニピルはエストロゲンを含まないので、血栓症になるリスクが低く、高齢の方や喫煙者の方、授乳中の方でも利用できるケースがあるからです。
また、超低用量ピルはエストロゲンの量が少ないので、吐き気や頭痛といった副作用のリスクを抑えて、生理痛やPMS(月経前症候群)の治療に利用できます。
低用量ピル・超低用量ピル・ミニピルの違い
| 低用量ピル | 超低用量ピル | ミニピル | |
|---|---|---|---|
| 含有するホルモン | エストロゲン+黄体ホルモン | エストロゲン+黄体ホルモン | 黄体ホルモンのみ |
| エストロゲン量 | 0.03mg 〜 0.05mg | 0.03mg未満 | 含まれていない |
| 主な目的 | 避妊 | 月経困難症、子宮内膜症の治療 | 避妊(日本では未承認)、エストロゲン禁忌者の治療 |
| 血栓症リスク | わずかにあり | 低用量ピルよりさらに低い傾向 | ほとんどなし |
| 主な副作用 | 吐き気、頭痛、乳房の張り | 不正出血、吐き気 | 不正出血(高頻度) |
| 主な副作用 | 吐き気、頭痛、乳房の張り | 不正出血、吐き気 | 不正出血(高頻度) |
ただし、低用量ピルに比べて、ミニピルや超低用量ピルは不正出血が起きやすいです。
ミニピルや超低用量ピルも低用量ピルと同様に、誰にでも合う薬ではないので、自分の体質やライフスタイルを医師に伝えて、最適なピルを選んでください。
婦人科で別の治療方法を相談する
生理痛やPMS(月経前症候群)の治療目的でピルを使用している場合、ピルをやめたとしても、婦人科で別の治療方法を相談できます。
ピル以外にも、漢方薬や鎮痛剤など症状を緩和する医学的アプローチは多数存在するからです。
ピルをやめることで元の生活に戻るのを防ぐためにも、必ず医師に相談してピル以外の手段を相談しましょう。
避妊したいけど副作用がネックで継続できない場合、IUS(子宮内避妊システム)を利用すれば、副作用を抑えつつ高い避妊効果が期待できます。
生理痛で悩まされている場合には、ピルでなくても鎮痛剤を使用すればある程度改善される可能性が高いです。
「ピルを飲まなければ目的を達成できない」と意固地にならず、医師に相談して自分の体に合う最適な方法を見つけましょう。
ピルが服用できない場合の選択肢
| ピルが服用できない場合の選択肢 | |
|---|---|
| 避妊 | ・IUS:99%以上の高い避妊効果を発揮する ・コンドーム:正しい使用法で98%の避妊効果がある ・ミニピル:エストロゲンを含まないので血栓症のリスクが少なく、ピルが飲めない人でも服用できる(日本では避妊目的での処方は未承認) |
| 生理痛 | ・鎮痛剤や鎮痙薬:痛みの原因となる物質を抑えたり、子宮の過剰な収縮を和らげたりする ・IUS:黄体ホルモンを子宮内にのみ持続的に放出するので、全身への副作用が少なく、生理痛の緩和ができる ・黄体ホルモン製剤:エストロゲンを含まない飲み薬、血栓症リスクが極めて低く、ピルを服用できない方でも生理痛の緩和目的で使用できる |
| PMS | ・精神症状への薬物療法:イライラや気分の落ち込みなどの精神的症状に対して、抗うつ薬などが有効 ・サプリメント:ビタミンB6やカルシウムの摂取が有効 |
ピルをやめるときの注意点
ピルをやめる場合、自己判断で急にやめずに、医師に相談した上でシートを最後まで飲み切ってやめる必要があります。
また、ピルを再開する際には、血栓症のリスクが再び高まったり、飲み始めの副作用が再度起きたりするリスクがあるので注意が必要です。
ここでは、ピルをやめるときの注意点を解説します。
ピルをやめるときの注意点
シート途中で自己判断でやめない
ピルの服用を中止する場合、原則として現在服用しているシートの分をすべて飲み切ってください。
自己判断でシートの途中で服用を中止すると、ホルモンバランスが急激に変化し、消退出血を起こすリスクがあるからです。
現在服用しているシートを最後まで飲み切れば休薬期間にピルの服用を中止できるので、自然な生理に近い形で服用を終えられます。
ただし、血栓症の症状といった重大な体調不良がある場合には、シートの途中であっても直ちに服用を中止し、医療機関を受診してください。
すぐ中止・相談が必要なケースと自己判断で中止しない方がいいケース
| すぐ中止・相談が必要なケースと自己判断で中止しない方がいいケース | |
|---|---|
| すぐ中止・相談が必要なケース | ACHES(エイクス)と呼ばれる血栓症の疑いがある症状 ・Abdominal pain:激しい腹痛 ・Chest pain:激しい胸痛、突然の息切れ、押しつぶされるような痛み ・Headache:激しい頭痛、めまい、失神 ・Eye problems:見えにくい所がある、視野が狭い、失明、舌のもつれ ・Severe leg pain:ふくらはぎの激しい痛み・腫れ、握ると痛い、赤くなっている |
| 自己判断で中止しない方がいいケース | 服用3ヶ月以内の生活に支障がない副作用 ・軽度の吐き気・胃のむかつき ・少量の不正出血 ・乳房の張り、軽度の頭痛、むくみ ・気分の落ち込み・イライラ など |
医師に相談して中止のタイミングを決める
ピルを安全にやめるためには、いつ服用をやめるかを医師と相談して決めるのが最善です。
服用をやめるタイミングを誤ると、治療中の病気が悪化したり、予期せぬタイミングで排卵が再開して妊娠したりするリスクがあるからです。
たとえば、婚活を考えてピルを中止する場合、医師に相談することにより排卵の再開時期や妊娠に向けた体の整え方のアドバイスをもらえます。
また、副作用で中止を考えている場合には、「中止しないほうがいい副作用」か「服用を中止すべき重大なサイン」なのかを、医学的見地から判断してもらえます。
ピルの服用中止のために診察を受ける際には、中止を希望する理由や服用を開始する前の状況を医師に伝えてください。
ピルの服用中止を希望する場合に医師に伝えるべきこと
ピルの服用中止を希望する場合に医師に伝えるべきこと
- 中止を希望する具体的な理由
- ピルの服用前にあった生理に関するトラブル
- ピル服用前の生理周期
- 中止後の避妊や治療の継続の意思
再開時のリスクも理解しておく
ピルを一度やめて再開する場合は、初めて飲むとき以上に、血栓症のリスクに注意する必要があります。
「以前飲んでいたから大丈夫」と自己判断でピルを再開するのは非常に危険です。
実際に、中断期間が4週間を超えると、血栓症のリスクは初回服用時と同じレベルまで戻ることが報告されています。
4週間以上の中断後に服用を再開した時又は4週間以上の中断後に別の経口避妊剤へ切り替えた時にも静脈血栓症のリスクが上昇し、そのリスクは服用開始後3ヵ月間が特に高いとの報告がある。
中断が4週間以内であれば体への影響は比較的少なく再開しやすいですが、医師に確認してから服用を始めてください。
中断期間が4週間を超える場合には再開時の血栓症のリスクが高くなるので、現在の状況がピル服用の禁忌事項に該当しないかを再確認する必要があります。
ピルの中止時に考えたいことと再開時に確認すべきこと
| ピルの中止時に考えたいことと再開時に確認すべきこと | |
|---|---|
| ピルの中止時に考えたいこと | ・どんな理由でピル服用を中止したいのか ・中止することによる症状の再発や生活の質の変化 ・避妊や治療といったピルを服用した目的の代替案 |
| ピルの再開時に確認すべきこと | ・中止した期間に伴い再開時の血栓症のリスクが上昇しないか ・以前服用開始した時と年齢や健康状態、生活習慣に変わりはないか ・中断した理由を繰り返さないために、どうすれば良いか |
ピルは飲まない方がいいかは体質と目的で判断する
ピルは、誰もが一律に飲まないほうがいい薬ではありません。
ピルを飲まないほうがいいかは、服用を避けるべき人に当てはまるか、服用によるメリットがデメリットが上回るかによって判断すべきです。
インターネット上の否定的な口コミや漠然とした不安だけで服用を諦めるのではなく、医師に相談した上で「継続すべきか」「中止すべきか」「他に代替案がないか」を検討してください。
ピルは飲まない方がいいかは体質と目的で判断する
不安だけでやめるのは避けるべき
副作用への不安やインターネット上のネガティブな口コミだけでピルをやめると、本来のメリットが得られないばかりか、かえって体調を崩す恐れもあります。
「なんとなく怖いからやめる」のではなく、「自分にとってのピルを服用するメリットとデメリットを天秤にかける」ことが大切です。
ピルを続けることに不安がある際には、「不安の原因が何か」「服用目的は何か」「やめた後の影響を許容できるか」といったことを考え、医師にも相談した上でやめるかを判断してください。
ピルを続けることに不安があるときに確認したいこと
ピルを続けることに不安があるときに確認したいこと
- 不安の原因は何か
- 実際に副作用などの症状はあるか
- ピルの服用を開始した目的は何か
- ピルをやめた後の影響を許容できるか
リスクがある人は別の選択肢を取る
血栓症のリスクがあるなどの理由で、ピルの服用が難しい方は、別の避妊法や治療法を選択することが最適です。
リスクを抱えたままピルを服用し続けると、重大な健康被害を招く恐れがあります。
ピルは、あくまでも避妊や治療の手段の一つに過ぎません。
「医師からピルの処方を断られた」「服用中止を勧められた」といった場合には、速やかに代替手段への切り替えを検討してください。
ピルの服用にリスクがある人向けの代替手段
| 代替手段 | 目的 | 特徴 |
|---|---|---|
| IUS(子宮内避妊システム) | ・避妊 ・過多月経 ・生理痛 |
・エストロゲンを含まない ・一度の装着で最長5年間有効 ・生理が劇的に軽くなり、避妊効果も極めて高い |
| ミニピル | ・避妊(日本では非承認) | ・エストロゲンを含まない ・血栓症リスクが極めて低く、授乳中でも服用可能 ・毎日決まった時間に飲む必要がある |
| 黄体ホルモン製剤 | ・生理痛(月経困難症)の治療 ・子宮内膜症の治療 |
・エストロゲンを含まない ・排卵を抑え、子宮内膜の増殖を防ぐ力が強い ・血栓症のリスクがほぼない |
| 鎮痛剤 | ・生理痛 | ・痛みの原因であるプロスタグランジンの生成を抑える ・痛くなる直前に服用することで高い効果を発揮する |
| 抗うつ薬 | ・PMS(月経前症候群) | ・セロトニンの働きを整える ・生理前のみの間欠投与も可能 |
| 漢方薬 (当帰芍薬散や加味逍遙散など) |
・生理痛 ・PMS |
・ホルモンバランスを変えずに治療できる ・冷えや血の巡りを整えて症状を緩和する |
最終判断は医師と相談して決める
ピルを服用し続けるか服用をやめるべきかの最終判断は、自分一人では結論を出さずに、必ず医師と相談して決めてください。
インターネット上の体験談やSNSの情報を鵜呑みにして自己判断で中止したり、無理に続けたりすると、体調の悪化や予期せぬ妊娠など、かえって自分を苦しめる恐れがあります。
医師に相談すれば、中止だけではなくピルの種類を変更するなど、自分にあった最適な選択肢が見つかる可能性が高いです。
医師に相談する場合には、やめたい理由や中止後の避妊や治療の継続意思の有無などを伝えてください。
医師との相談時に伝えること
医師との相談時に伝えること
- ピル服用をやめたい理由
- ピル服用前の具体的な症状
- 中止後に避妊や治療を継続する意思の有無
- 現在の健康状態やライフスタイル
「忙しくて病院に行く時間が取れない」という方は、オンライン診療の利用を検討してください。
オンライン診療は通院の必要がなく、平日の夜間帯や土日祝日にも診察が受けられる場合も多いので、「通院する時間がない」「誰にも見られずに相談したい」といった方に最適です。
ピルの服用で不安がある方は一人で悩まずに、医師と一緒に自分に最適な方法を見つけてください。
